ハヤカワSFシリーズ
天涯の砦

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  • サイズ B6判/ページ数 285p/高さ 19cm
  • 商品コード 9784152087539
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0093

内容説明

地球と月を中継する軌道ステーション“望天”で起こった破滅的な大事故。虚空へと吹き飛ばされた残骸と月往還船“わかたけ”からなる構造体は、真空に晒された無数の死体とともに漂流を開始する。だが、隔離されたわずかな気密区画には数人の生存者がいた。空気ダクトによる声だけの接触を通して生存への道を探る彼らであったが、やがて構造体は大気圏内への突入軌道にあることが判明する…。真空という敵との絶望的な闘いの果てに、“天涯の砦”を待ち受けているものとは?期待の俊英が満を持して放つ極限の人間ドラマ。

著者等紹介

小川一水[オガワイッスイ]
1975年岐阜県生まれ。1996年、集英社ジャンプノベル小説・ノンフィクション大賞受賞作『まずは一報ポプラパレスより』で単行本デビュー(河出智紀名義)。以後、『群青神殿』『導きの星』など、丹念な取材に裏付けられた斬新なテーマのジュヴナイルSFで好評を博す。2003年発表の月面開発SF『第六大陸』(ハヤカワ文庫JA)が第35回星雲賞日本長編部門を受賞して以降、骨太な本格SFの書き手としても期待が高まっている。また、2005年の作品集『老ヴォールの惑星』(同)で「ベストSF2005」国内篇第1位を獲得、収録作の「漂った男」で第37回星雲賞日本短編部門を受賞した。宇宙作家クラブ会員(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

七色一味

49
読破。久々に読んだ国産のどハードSFは、「ソフト」の部分でもなかなかの作品でした。「事故」により破壊し、繋留中の月往還船ごと虚空に弾き飛ばされた軌道複合体の一部。そこに残された人々の、社会性、政治性、そして人間性を掛けた生存の為の戦いとヒューマンドラマが、丁寧に描かれています。読了後改めて表紙を見て、これを元にした映画を見てみたいなと思い、同時に『さよならジュピター』のワンシーンを思い出しました。とりあえず、SF好きの方には、これはオススメです。2013/06/18

ymartak

19
これまた大変面白い作品だった。事故により分解し漂う宇宙ステーション&宇宙艇で、飛び飛びの場所に閉じ込められた人々。互いのコミュニケーションを妨げるは真空の空間。救出の手が届かないなか環境は悪化、さらに各人の思惑も絡んで…という展開。宇宙空間で起こり得る事象を本当に丁寧に折り込みSFマインドをくすぐり、かつスリリングな人間ドラマで良質なエンターテイメントに仕立て上げる手腕は見事という他ない。2013/05/13

GaGa

17
面白い。久しぶりに良質のSFを読んだ気がする。例えて言うなら宇宙版「ホワイトアウト」か、ダクトというフィルターを通しての会話が逆に臨場感を高めている。結末も良い。2010/06/08

ヤギ郎

16
小川一水による宇宙サバイバル・ストーリー。人間ドラマがここにある。一人で火星サバイバルをする物語にアンディー・ウィアー『火星の人』がある。本作は宇宙空間で大人と子供と犬(!)が生存をかけた戦いに挑む。船外の状況は宇宙SF用語がいろいろあってよくわからなかったが、考えてみたら、素人が宇宙船に取り残されたら外の状況はわからないのである。原因がテロとか事故とか、いつになったら助けが来るのか、水が飲みたいなどなど、キャラクターたちはリアルにいろいろ考えている。最後はやさしく物語が終わる。2019/10/18

天リリス

11
外が宇宙空間という絶対絶命の状態からの脱出劇。ドキドキの連続で面白かった。人間ドラマが生々しくて、自分はちょっと読むの辛かったかな。2014/03/31

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