ハヤカワSFシリーズ
アマチャ・ズルチャ―柴刈天神前風土記

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  • サイズ B6判/ページ数 329p/高さ 19cm
  • 商品コード 9784152085085
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0093

内容説明

その街では、謎の奇病「バフ熱」に冒された男が食用洗濯鋏に余生を捧げ、「蚯蚓、赤ん坊、あるいは砂糖水の沼」の三面記事ほどに陳腐な溜め息を吐くコインロッカーがあった。しかしときには、加藤剛をこよなく愛する諜報員が「隠密行動」を展開し、国際謀略に巻き込まれた茸学の権威「若松岩松教授のかくも驚くべき冒険」が繰り広げられる街。謎の物体「飛び小母さん」が目撃者たちの人生にささやかな足跡を残し、とある人妻とマンホールが哀しき「愛の陥穽」に堕ちたのもまた、この街の片隅だった。あるいはまた、「トップレス獅子舞考」が試みられた風俗発祥の地、江戸幕府を揺るがした「闇鍋奉行」暗躍で歴史に刻まれる街―そう、柴刈天神前。このありふれた街と人に注がれた真摯な眼差しと洞察をもとに、現代文学から隔絶した孤高の筆が踊り叫ぶ、愛と浪漫と奇蹟の8篇。

著者等紹介

深堀骨[フカボリホネ]
1966年生まれ。1992年、生涯初の創作「蚯蚓、赤ん坊、あるいは砂糖水の沼」が都筑道夫、小池真理子両氏の絶賛を浴び、第3回ハヤカワ・ミステリ・コンテストに佳作入選。以来『ミステリマガジン』『SFマガジン』で中短篇を発表
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感想・レビュー

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紫伊

8
理屈ではない、感性だと言うようななんじゃこりゃという日常からネジの一本抜けたような世界と謎の擬音。その癖ラストの締め方がよく良い話を読んだ気分になる。きのこを好き過ぎておかしい博士がいたり小母さんが飛んだりマンホールと不倫したり江戸時代鍋奉行が幅を利かせていたりするくるってんなと言いたくなるものが好みの方には是非読んで頂いて感想が聞きたい。2022/01/24

unknown

7
呆れるほどに駄ボラ百八連発。次から次へどうでもいい事がマシンガンの如く、クドイぐらいにブチマケられるんだけれどもそれが心地良くてヘンな笑いがヌチャヌチャと腹の中に溜まった挙句に堪え切れなくなって何度も噴出してしまったので、人の居るところで読むと大変なことになる。『バフ熱』における、洗濯物を干していると小腹が空くという奥様の悩みにお答えして作られたスルメイカ製の食用洗濯ばさみ「イカったネ」(オプラートコーティング仕様でイカ臭くない!)のアイデアにいたく感銘を受ける。商品化を希望します。切実に。2011/02/26

inugamix

7
すごく乱暴に分類すれば中島らもグループに入るかもしれないが、そのグループには中島らもと深堀骨しかいない。土橋とし子の装画・口絵そのままな怪作。もしかして:土橋とし子装画グループ。ふざけのめしただけのように見えのの、しかし文学的香気もあるといえばありののの、さらに愛の真実もなきにしもあらずのののの、あっ伝染性もありますピピピピピ。「若松岩松教授~」「隠密行動」「愛の陥穽」が特に好き。2009/12/10

仮ッ子

5
変な本。変な話。何だけど投げ出す気持ちには全くならなかった。言葉で遊んでるとこが面白くて飽きなかったし、惹きこまれた。2014/03/16

ノベツ

4
3話目でリタイア。シュール系ギャグ短編? 良くわからない本だった。蛭子能収の漫画のような感じ。合わず。2019/09/11

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