「無限」に魅入られた天才数学者たち

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  • サイズ B6判/ページ数 255p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784152084026
  • NDC分類 410.2
  • Cコード C0041

内容説明

数学者として「無限」を初めて直視し、その構造の探求に賭けたラディカルな天才の驚くべき業績とは?『天才数学者たちが挑んだ最大の難問』の著者が贈る、数学の面白さと凄さ、業績の陰に潜むドラマを1冊に凝縮した数学ノンフィクション。

目次

ハレ
無限の発見
カバラ
ガリレオとボルツァーノ
ベルリン
円積問題
学生時代
集合論の誕生
最初の円
「我見るも、我信ぜず」
悪意に満ちた妨害
超限数
連続体仮説
シェイクスピアと心の病
選択公理
ラッセルのパラドックス
マリエンバート
ウィーンのカフェ
一九七三年六月十四日から十五日にかけての夜
ライプニッツ、相対性理論、アメリカ合衆国憲法
コーエンの証明と集合論の未来
ハルクの無限の輝き

著者等紹介

アクゼル,アミール・D.[アクゼル,アミールD.][Aczel,Amir D.]
カリフォルニア大学バークレー校にて数学を専攻。オレゴン大学で統計学の博士号を取得。現在はベントレー大学の統計学助教授として活躍するかたわら、The American Economistなどの雑誌に論文、記事を執筆する。フェルマーの最終定理を扱った『天才数学者たちが挑んだ最大の難問』(早川書房刊)は本邦でもベストセラーとなった

青木薫[アオキカオル]
1956年、山形県生まれ。京都大学理学部卒業、同大学院修了。理学博士。翻訳家
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

syota

24
例えば、宇宙の始まりや終わりを探るなどということは、難問ではあっても現実世界の物理現象が相手であり、推論の足がかりがある。しかし本書で扱っている数学上の「無限」は、目で見ることも想像することも困難な純粋に論理上の世界であって、それまでの知識や経験が全く通用しない“神の領域”だった。本書では、己の超人的思考力だけを頼りに“神の領域”に分け入り、偉大な業績を挙げながらも、あまりの重圧に次第に心を病んでいった天才たちの姿が、共感をもって描かれている。数学的な説明にはついていけなかったが、人間ドラマとしても秀逸。2015/12/29

J

11
★★★★☆ 正直、内容の理解は全く追いついていないが、物語として面白かった。カントールとクロネッカーの確執。無限を追い求めた結果、精神を病み、全く異なる分野の(意味のない)研究に逃げたカントールとゲーデル。物理学者の伝記は読むが、数学者も面白そう。無限についても(精神を病まない程度に)ちょっと勉強してみたくなった。やはり青木薫さんの翻訳本にはアタリが多い。2024/01/24

魔魔男爵

5
実無限を考察したカントールに「数学は無限を扱うべきではない」と言ったクロネッカーが悪役扱い(犯人などという表記もある!)される、数学史的には正史よりの、無限を必要とする解析学(微積分学)者、集合論者の悲劇に焦点を当てた伝記本だが、これをつまらないと思う人は、離散数学(代数学)寄りの思考者だと思うので、クロネッカーや野崎昭弘先生の本を読む事をお勧めする。無限を考えると神学寄り哲学寄りになって白けるよな。もっとも数学らしい数学は離散数学でR。アレフ1、アレフ2、アレフ3、アレフ∞の上にも高次元の∞ある(笑)2011/06/10

LeftyMonster

5
集合論の父として知られるカントールの生涯を通じて実無限に迫る 集合論そのものが無限の定式化のために生れ、有理数無限と無理数無限の間に別の無限は存在するのか:連続体仮説がカントールの精神を蝕んでゆく過程がニュートンでさえ避けた実無限との対峙の困難さを切実に伝える すれ違うように現れたゲーテルによってその証明は不確実性の彼方に放たれるがそのゲーテルも晩年精神を病む 近代数学は不幸な晩年を迎えた二人の功績上に依って立っている事実が更に興味深く沈考に誘う2010/07/12

非日常口

3
数に神を見たカバラの世界からゼノン、ガリレオ、デカルト、ポアンカレ、カントール、ゲーデルetcの流れを俯瞰できる。絶対者である1や素数の神は、その一方で無限であり、そこに集合論の話が被さっていくような印象を受ける。数学は苦手で途中の理解が曖昧だが、不完全性定理などに興味があるならこの無限の歴史をサクッと見ておくと良いのではないか。2013/05/02

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