ハヤカワ文庫<br> 十二人目の陪審員

ハヤカワ文庫
十二人目の陪審員

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  • サイズ 文庫判/ページ数 277p/高さ 16X11cm
  • 商品コード 9784151000386
  • NDC分類 933
  • Cコード C0197

内容説明

人気TVキャスターのエドワード・カーンが妻殺しの容疑で告発された。彼は強く犯行を否定したものの、数々の不利な情況証拠を前に、なぜかいっさいの証言を拒否していた。その心中にあるものとは?そして、彼を裁く立場に立った陪審員たちの揺れ動く心が下した評決とは…。英国推理作家協会賞ゴールド・ダガーを受賞した緊迫感溢れる法延ミステリの傑作。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ケイ

139
法廷ミステリ。派手さはないが、12人の陪審員達の、いかにも普通の人間らしい心の動きに時間を忘れて読んだ。緻密さやどんでん返しの趣向にうまさがあるわけではないのに、陪審員達がどう判断するか固唾を呑んで見守ったのは、カーンが犯人かどうかこちらも分からなかったからだろう。ある程度の予測はつくものの、終盤のあっと驚く展開と、その後の控えめのトーンがよかったな。おすすめ。2019/04/12

ケイ

111
読書会のために再読。最後をわかって読むと、カーンやフランシスはじめ、事件関係者の行動や会話の意味が腑に落ちる。あぁ、うまいなあ。そして、タイトルが、12人ではなく、12人目だと読書会で気付かされるという痛恨。さらに、腑に落ちた。2019/07/07

mii22.

61
派手さはないがじっくり読ませる法廷ミステリ。妻殺しの容疑で告発されたテレビの人気司会者カーン。裁判の陪審員は12人。タイトルの12人目と言うのはクインのことだろうが何を意味するのか。情況証拠はカーンを犯人としているが決定的証拠はない。公判での証人の証言だけで事件の真相を見極めるのは難しい。読み手も陪審員のひとりとして事件と向き合う形となる。公正な目で判断することの困難さ普通の人が人を裁くことへの重圧を痛切に感じる。そして後半の陪審員たちの駆け引き、予想を大きく上回る展開に驚愕する間もなく静かに幕を閉じる。2019/07/04

ミサ

12
妻殺しの容疑で裁判にかけられたカーン。自分も陪審員になったつもりで誰の発言に信憑性があるのか考えようとするのだけど、ついつい感情的な判断を下しそうになってしまう。登場人物とともに責任の重さに苦しみながら真剣に読んだ。ラストは衝撃やった。2019/07/04

タツ フカガワ

9
TVの人気キャスター、エドワード・カーンが妻殺しで告発される。物的証拠はないものの、状況証拠はことごとくカーン被告に不利なものだった。その公判の1日目から克明に描かれる法廷ミステリー。それを12番目に陪審員の宣誓をしたロバート・クインの目を通して描かれる。映画『十二人の怒れる男』のような審議シーンも面白いのですが、山場はその後に……。というミステリーのお手本のような作品でした。2019/08/19

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