ハヤカワ文庫<br> 零式

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ハヤカワ文庫
零式

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  • サイズ 文庫判/ページ数 396p/高さ 16cm
  • 商品コード 9784150308773
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0193

内容説明

大戦末期の1945年、帝国本土への遠征特攻を敢行した皇義神國は、報復の原子爆弾投下により全面降伏する。そして半世紀後、帝国統治下で鎖国状態の神國。原始駆動機“鋼舞”を駆る孤独な少女・朔夜は、己の破壊衝動をもてあましていた。しかし運命の夜…朔夜の荒ぶる心臓と、囚われの天子・夏月の夢見る翼が出会うとき、閉塞世界の根底を揺るがす大いなる物語が幕を開ける―期待の新鋭が描く、疾走と飛翔の青春小説。

著者等紹介

海猫沢めろん[ウミネコザワメロン]
1975年大阪府生まれ。兵庫県育ち。高校卒業後、紆余曲折を経て上京。ライター、デザイン業のかたわらPCゲームソフト「ぷに☆ぷご~」を制作。同作を小説化した『左巻キ式ラストリゾート』で2004年にデビュー、カルト的人気を得る(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ミツ

20
いやぁ、熱い、熱すぎるっ!植民地化され、壁に囲まれた仮想日本。ディストピアじみた絶望の世界で孤独と怒りに囚われていた少女たちの成長物語。過剰なルビ振りやラノベラノベした文体から漂う青臭さに戸惑いつつも、だんだんとそのダサカッコよさが癖になり、最後にはその圧倒的な速度と熱量でもう細けぇことはいいんだよ!状態で読み終わっていた。歴史改変SFであり、メカニカルな萌えもあり、壮絶な殺陣あり、そして爽やかなラスト、正に男の子の好きなものをこれでもかとばかりに詰め込んだ作品。なるほど確かに好きです、こういうの。佳作2014/08/25

ぜんこう

18
アンソロジーで短編を読んでた海猫沢めろんさんの本を初めて図書館で借りてみました。小松左京さんの「地には平和を」みたいな歴史と違う戦後のような話ですが、植民地というのもあるよなぁ、という感じ。ただ、かなりのスプラッター描写にはまいりましたが、話の最後は読むのをやめられませんでした。壮大ですけど、少女の成長物語…そんなきれいな話ではないけど。再読はしないだろうけど、読んでみて良かったです。2018/01/19

しろ

10
☆6 爆裂的なスピードで駆け抜ける作品。退廃的な日本の雰囲気を持つ、皇義神國は帝国の植民地で、そこでくすぶりながらもバイクを駆る少女の朔夜がカッコいい。サイバーパンクの世界観に日本の雰囲気が融合して、濃密な空気をみせていた。そして、とにかく朔夜が爆走しまくる。世界にイライラしながらも、夏月との出会いや試練を乗り越えて、吹っ切れていくまでの成長が描かれる。展開もスピーディーなのだが、かなり崩された文体も加速を手伝っていたと思う。退廃的でもやもやすることもあるが、スカッとする作品だった。2012/02/21

CCC

7
バカな…速すぎる…。ハッタリ感のある詰め込まれた要素や独自の文体も好きだが、何よりこの速度は本物だ。いやー、すごい。2017/02/25

harass

7
積読本消化。いろいろ考えてしまう設定や体言止めとルビ付きの造語連発文体に苦笑しながら読み始める。サイバーパンク文体や古橋秀之などを連想すればいい。むせ返る青臭さとケレン味になんとか慣れてきて、途中からはまってしまった。強い「切実さ」と詩人的感性に共感してのめり込んだのだ。いろいろと荒っぽい部分があるがそれを上回る良いところもあった。ううむと感心しながら残りページが少なくなっていくのが残念に感じた。こういう読書は久しぶりだった。十代のころに読んでいれば聖典のように熱狂していただろうにと思った。2013/02/17

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