感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Tanaka9999
14
1973(昭和48)年発行、早川書房の文庫本。日本SFの(古典的)名作ということで読んでみた。つっかえつっかえ読むこととなったが読了。結局何だったんだろう。人物と行動は分かるし、最後のシーンに至る流れはなんとなくわかるのだが、何をやっているのかは理解できず。正確には自分が何を理解できてなくて、何を理解できているのか分からなかったというところか。2022/02/24
アルビレオ@海峡の街
13
昭和48年版を20日以上かかって読了。宇宙史であり、宗教書であり、哲学書である本書。光瀬氏の作品は初読だが、その圧倒的な世界観に軽くひねり潰された。こういうの好きかも。とても40年近く前の作品とは思えない。いつまでも色褪せない物語。2012/01/23
茶幸才斎
12
哲学者プラトンは西の辺境の町で、滅び行くアトランティスの司政官オリオナエの意識に触れ、祖国を発った悉達多太子は遥かな兜率天の地で阿修羅と対峙し、ナザレのイエスはゴルゴダの丘で、万民に神の奇跡を示すため磔刑となる。そして幾星霜の時を経て、文明の廃れた世界で、彼らは何者かの意思を背負い、敵味方として相まみえる。人類の文明は何故繰り返し滅ぶのか。我々の動向を見ている超越者が存在するかはともかく、我々の住む世界は実にちっぽけで、ちょっとした宇宙規模の物理現象によってすぐに消し飛ぶ危うさを常に抱えているのだろうな。2015/02/01
みか
11
「寄せてはかえし/寄せてはかえし/かえしては寄せる海。かがやく千億の星々は波間にのぼり、夜明けの薄明とともに広漠たる波頭の果に沈む。」世界の創世から滅亡へと向かう長い長い時の流れを、壮大なスケールで描いたSFファンタジーです。シッタータ、プラトン、アトランティスの司政官オリオナエ、そして阿修羅王は、神によって約束された終末と救済に疑いを持ち、世界の破滅の謎を求めて神(超存在)に挑みます。「寄せてはかえし/寄せてはかえし…」という印象的な言葉がリフレインし、永遠に連なる時間と宇宙の静けさを感じました。 2009/10/22
あろは祭り
11
再々読。初読から30年近く経過するが、未だに その輝きが衰えることはない。 諸行無常。エントロピーは増大する。2013/01/20