内容説明
英文学者ドイルが跳んだ19世紀初頭の英国では、おりしも、古代エジプトの邪教を奉じる魔術師が、大英帝国の転覆を企てて暗躍の真っ最中だった。かててくわえて巷では、犬面ジョーなる怪人が出没して人々の恐怖の的となっていた。この魑魅魍魎入り乱れての大騒動のただなかに飛び込んでしまったドイルは、はからずもエジプトの魔術師と対決する羽目になるが…。フィリップ・K・ディック記念賞に輝く奇想天外な伝奇物語。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
スターライト
6
上巻は途中もたもたした感があったが、下巻は割と展開が早く物語が進む。ちょっと脇役が多いきらいはあるが、張り巡らされた伏線は全て回収される。タイムトラベルを使った作品ではあるが、「カー」という存在でパラドックスをうまく回避させるアイデアは秀逸。それが最後に生きてくるとは思わなかったが。盟友ブレイロックやジータの名前をちりばめたり、ビートルズの「イエスタディ」を紛れ込ませるなど作者は楽しんでこの小説を書いたようだ。フィリップ・K・ディック記念賞受賞作。 2014/10/15
Iku Ogawa
1
季節柄、急に読みたくなったのでまた読んだ。やっぱりパワーズのスーパーエンタメな感じはスゴく良い。2016/12/02
ハクセキレイ
1
過去に飛び、海外に飛びといった具合で後半もまた新しい展開を見せます。読み進む度に伏線の回収がたくさん表れ、ついつい前に戻りたくなってしまいますね。期待していたスチームパンクとは少々異なったものでしたが、満足しました。2015/03/26
ヴィオラ
1
ストーリーもキャラクターも良く出来てる。ジャッキーとかアンタイオス同胞団とか、上手にツボをおさえていて、読んでて楽しいね(^ω^)スチームと言うだけに、大好きな十九世紀のロンドンは出てくるんだけど、史実のキャラは、バイロンにコールリッジ、ジャックはジャックでも“切り裂き”ならぬ“ばね足”と、微妙に地味か?(^_^;)2011/08/07
Qfwfq
1
なんというB級大作。竹馬乗った道化やらジャンピングシューズを履いた魔術師やら物語のいたる所にB級臭が半端ない。だかそこが好物。あ、ボクっ娘も出て来るよ。2011/04/03