内容説明
紀元前1500年。クレタ王国は蛮族アカイア人の侵攻の前に屈しようとしていた。王女テアと弟のイカロス王子は追手を逃れて森の洞窟に入ったものの、牛頭人身の怪物ミノタウロスに行く手をふさがれてしまった。ところが意外にもミノタウロスは、怪物どころか、森を愛する知的で穏やかな生きものだった…。クレタの森の幻獣たちとともに、侵略者から故国を守ろうと立ち上がった王女と王子を描く、幻想の詩人スワンの処女長篇。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
miroku
8
読んだ事がないのだが・・・。ハーレクインロマンってこんな感じなのかも・・・。2011/11/11
更紗姫
5
上古の昔、森では人間と幻の獣たちが暮らしていた。読みながら『もののけ姫』のシーンが去来する。かつて人間の営みが自然や動物と調和していた時代があった・・・神話の語る世界は、アジアもヨーロッパも違いはないのかも知れない。〈素朴な情熱〉とでもいうか、ユーノストスの一途な気持ちがまぶしく、そして哀しい。この物語も素敵だが、それにつけても あんなに大事にしていた『薔薇の荘園』が本棚に見当たらないのが惜しまれる。2014/06/26
グラコロ
3
う~ん、〝薔薇の荘園〟っぽいかなって期待したんだけど…。2016/02/08
ゆん
1
ミノタウロスのユーノストスと人とけものの間に生まれた姉弟、テアとイカロス。子供向けのお話かと思ったらがっつりヒロイックファンタジーっぽいお話でした。艶っぽい場面もあったり神話っぽくケンタウロスとかいろいろ出てきてなかなか面白い読み物でした。ユーノストスが純情すぎて途中、「こいつ、もしやイカロスの方が好きなのか?」と腐った見方をしてみたりww装丁の竹宮先生の絵も繊細で良かったです^^でもテアはもうちょっとボーイッシュなイメージだった!2016/01/29
mayuri(Toli)
1
竹宮恵子さんの表紙の雰囲気が示す通りの一冊となっています。ちょっとあっさりしているんだけど、美しく、悲しく、牧歌的で神話的で愛にあふれている……。表紙のテアが描写されている通りのお嬢さんで、かわいらしいです。 この物語は、ミノタウロスと姉弟の愛と友情の物語になっています。 森の描写がよかったです。2012/03/29