ハヤカワ文庫<br> 吟遊詩人トーマス

ハヤカワ文庫
吟遊詩人トーマス

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  • サイズ 文庫判/ページ数 381p/高さ 16X11cm
  • 商品コード 9784150201661
  • NDC分類 933
  • Cコード C0197

内容説明

その昔、類まれな美貌と比類なき詩歌の才を授かった詩人がいた。その名はトーマス。ある日、彼は白馬に乗った美しい貴婦人と出会った。その正体は、トーマスに惹かれてやってきた妖精の女王だった。女王は、7年間愛人として仕えることを条件にトーマスをエルフランドルに連れてゆくが…。〈まことのトーマス〉と呼ばれた伝説の吟遊詩人の波乱に富んだ生涯をあざやかに謳いあげ、1991年度世界幻想文学大賞に輝いた珠玉作。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

斑入り山吹

7
すっごい良かった!!!!!カバーに世界幻想文学大賞受賞とあったがこれは外さなかった。女王、っていえばマキリップ『冬の薔薇』もそういうのが下書きじゃなかったっけ?最近よく思うのだが、ストーリー展開もさることながら、物語って本って、文章が大事だな。心地よさっていうんでしょうか?この本の翻訳は御大 井辻朱美。原文が素晴らしい、と解説にあった。翻訳で損なわれていなければいいが、とも。やっぱりそうなんだ!しかしそう書かれると、原文にも挑戦してみたいような気がするが、うーん、いつ読むやら。2011/09/24

sin

4
20年積読本です。物語の中に物語が在り、それぞれが平行に寄り添ってひとつの世界を構成している。前半の物足りなげな展開をすぎれば読後、良い物語を味わった満足感を覚えるでしょう。2012/10/19

shou

2
詩人の一生を描いた、雰囲気のある妖精物語。後半が良かった。特にラストは、詩と夢の物語を味わったという余韻が残る。洗練された原文と訳者あとがきにあるけれども、訳文も読みやすい。2013/03/28

空蝉

2
この作家は、スケールの大きい話をまとめるのが非常に上手い。そして、描写が美しくて的確。幻想小説としてだけでなく、素晴らしい。トーマス自身を含む、まことのトーマスの一生を書いている。その筈だが、一編の詩を読んでいる感覚に陥る。徹底的に世俗的な恋の駆け引きは妖精の女王に対してのみ描かれ、詩的な恋のやり取りは人の娘に対して行われる辺り、実に見事。2010/02/03

j1296118

1
たっぷりと拡張された詩人・正直者トマスの翻案。もし謝辞を読み飛ばしてたら題名を借りた全く違うお話なのかと思う所だった第一部だが、妖精国の七年間も帰還後の人生もこれが無くては始まらない気分にしてくれる2015/07/10

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