内容説明
名高き老魔法使いプロスペロは、空気の中にただよっている漠然とした不安を感じとった。何かが潜んでいる。憎しみに充ちた悪意のようなものが…。やがてその重苦しい不安感は、確固たる恐怖に変じた。―古びたマント、巨大な蛾や鳥がプロスペロを襲いだしたのだ。!あまつさえ、老魔法使いの家の周囲にはなにやら不気味な人影がいくつも見え隠れしている。はたして、こうした怪異は何を意味するのか?プロスペロは、盟友の魔法使いロジャー・ベーコンと連れだって、事件究明にのりだすが…。ゴシック・フンタジイの金字塔、遂に登場。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
sohara
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ジョン・ベレアーズの初読み。新聞のコラムで知ったのだが、本を手に取って初めて訳者が故浅羽莢子だったことに気付き、彼女を敬愛する身としてはとてもうれしかった。ファンタジーではあるが、老魔法使いの主人公とその親友の魔法使いが協力して敵と戦うという、不思議な味わいの物語。主要人物には、秘められた能力を持つ若者も美しい乙女もおらず、恋愛沙汰も無し。児童書かもしれないが、大人も楽しめる。浅羽訳の未読SF、ファンタジーはまだ多数あり、丹念に読んで行きたい。2014/04/08
金木犀
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FT103 198710初版 正しくは『霜のなかの顔』