感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
かりさ
64
さてここで語られる話は嘘か誠か…。魔法の国の旅人のタイトル、美しいグランヴィルの装丁画…夢の物語かと思いきや夢は夢でも世界の旅人ジョーキンズの摩訶不思議なめくるめく冒険譚。ジョーキンズの恋の話など、どれも良きですが、中でも異世界の章、火星の幻想旅行の話が好きです。2019/03/24
Susumu Kobayashi
4
ジョーキンズ・シリーズを訳者荒俣宏が再編集して1巻にしたもの。11編が収録されている。The Fourth Book of Jorkensからの5編が初読。いずれも短い話ばかりで、印象に残ったのは、虹の根本に宝が埋まっているという伝説に基づく「妖精の黄金」、蜃気楼で見た美しい都を自分で作り上げる男の話「クラコヴリッツの聖なる都」、病は気からを地で行く「ジャートン病」である。『「大きなダイヤモンド」だとか「われらが遠いいとこたち」にはいろいろな形で続篇が書き継がれている』という訳者あとがきに驚く。読みたい。2016/11/11
たこい☆きよし
2
ダンセイニのジョーキンズものの短編集。これはセレクションも軽妙洒脱な訳文もいい。でも、この当時は続刊は出なかったのね。2018/04/30
meganekuma
0
ロード・ダンセイニ後期作品。ビリヤードクラブで聞き手を楽しませるためのホラばなし、という設定の短編集だが全編ではなく抜粋らしい。大の大人が大真面目に語る冒険譚やらファンタジーやらSF風味の話。とにかくいろんな種類の話がでてくるので、どんなオチになるのか分からない。中でも、「最後の野牛」では主人公の語り手がいつものように大風呂敷を広げると見せかけて、急に畳んだのには笑った。2014/10/13
小林ミノリ
0
ビリヤードクラブで語られる英国貴族のホラ話という設定の短編集、風刺とブラックユーモアを織り交ぜて、魔法の国の旅行記をさも見てきたように語ります、荒俣氏の翻訳と解説も的確で過不足なく楽しめます。