感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
袖崎いたる
5
魂と肉体とがあり、魂と肉体はそれぞれ独自に経験の蓄積があるという前提に立っている作品。肉体に経験値が貯まるのは脳という銘記と保存の機関があるからわかるけれど、魂にはそうしたものがないではないか。それを考えるとなんだか不思議なのだけど、少年少女を対象に捉えた作品群のひとつと考えて、読者は疑問を呑みこむことにしよう。それは設定の甘さなのかは、正直なところぼくには判断がつかない。取り敢えずその設定が、この物語の大団円に繋がる道筋を設ける鍵であることは確かだ。残念なのは、描写や科白に関して、拾える星屑はなかった。2015/07/06
mayuri(Toli)
5
ジュブナイル小説なこともあり、リーの特徴である耽美な筆致はかなり抑えられているというか、ほとんど感じられませんが、色彩の描写のセンスはこの頃からばっちりです。デクテオンとザイスタアは、ほぼお互いの能力まで入れ替わります。別世界に住まう同一存在でありながら、まったく対極に位置する二人。しかしその二人が入れ替わり、お互いが経験し得なかった経験をすることで、めざましく成長していきます。その様子が、たまらなく爽やかで、そうしてちょっと切ない読後感です。 2013/01/07
ゆぽんぬ
4
やっぱり大好きです!タニス・リー!!【いま、ひとつの世界では、追い風に乗った一隻の船が、穏やかな冬の海をすべっていた。ひとりの男が手すりのそばに立っていた。傷だらけだがたくましい体。欠けた歯。奴隷を示す二つの焼印は肌着の下に隠してある。濃い赤毛を自由の風が吹き抜けた。デクテオン。むかしのとおり、魂も心も頭も体も。まごうことなきデクテオン。】2020/11/26
K・ITO
2
表紙絵が中山星香に更わった為に買いなおし1987/10/31
shiman
2
再。中身はかなりロマンチックな部類なので読むたび表紙(もある意味良く表していますが)とのギャップがもったいない・・と思うのであった。中山版は見かけたことないがどんなのだ~?2012/12/11