感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ワッピー
17
古代から伝わる異界への感覚を開く秘薬を納めた壷を巡る妖精界の争い「五つの壷」(M・R・ジェイムス)と妖精界に連れ込まれた少年と少女の脱出行「お目当て違い」および広大な城に住み、父の帰還を待ちわびる兄弟たち「城 ーひとつの寓話ー」(マクドナルド)の3編収録。「壷」の霊力を手に入れていくプロセスの玄妙さと田園風景の美しさ!「お目当て違い」の奇妙な傘売りのシーンも魅力的。「城」については、荒俣氏はピーク「ゴーメンガースト」の原型と書いていましたが、審判の日を待ちわびる幼き者たちはキリスト教テーマにも思えます。2019/05/31
斑入り山吹
2
ハヤカワ文庫FTのファンタジイ傑作集②が面白かったので、古いこれも探して手に入れた。だって②はチェスタトンだしこの①はG.マクドナルドだし、王道の古典はやっぱり大事よ。M.R.ジェイムズの表題作はなかなか面白かった。けっこう怖いんだ。挿絵がドリトル先生に似ている!と思ったけれど違う人だった。こういうスタイルがかつて流行ったのかしら?マクドナルドは二編。荒俣宏訳の『お見当ちがい』は『リリス』を思い出させられた。『城』はダンセイニっぽかったかな?今はやりのハイファンタジーとずいぶん違う味わいだが、古典も良い。2012/03/11
金木犀
0
FT 7 79.6初版