出版社内容情報
驚異の量子解析力をもつ詐欺師ベリサリウスは、厳重警戒なワームホールゲートに宇宙艦隊を密かに通過させる仕事を依頼されるが!?
内容説明
詐欺師の“魔術師”ベリサリウスは、遺伝子操作により驚異の量子解析力をもつホモ・クアントゥスの一人。その彼が依頼されたのは厳重に警備された“世界軸”ワームホール・ネットに宇宙船、それも艦隊まるごとをひそかに通すことだった!ベリサリウスは一癖も二癖もある仲間を集めて、手始めに陽動作戦を展開。量子もつれを用いて世界軸を支配する巨大国家を煙に巻く世紀のコンゲームに挑む―傑作宇宙アクションSF。
著者等紹介
クンスケン,デレク[クンスケン,デレク] [K¨unsken,Derek]
1971年、カナダのオンタリオ州生まれ。マックマスター大学で分子生物学の修士号を取得後、中米でストリートチルドレン支援活動に従事。また、カナダ外務省に勤務した経歴を持つ。現在はオタワ在住。2006年に短篇“Tidal Maneuvers”でデビューし、以降“アシモフ”誌、“アナログ”誌、“クラークスワールド”誌などに短篇を発表。2012年の“The Way of the Needle”はアシモフ誌読者賞ノヴェレット部門を受賞した
金子司[カネコツカサ]
1969年生、1992年明治大学商学部商学科卒、英米文学翻訳家(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
宇宙猫
16
挫折。面白くなるかもと頑張ったけど1/3で挫折。延々とメンバーを集めていて話が進まないのに、細かく説明される訳でもなくピンとこないので余計に長く感じた。2024/03/16
やすお
8
こっそりと艦隊をワームホールに通過させる依頼を受けたベリサリウス。彼は詐欺師だ。なぜ詐欺師にこんな依頼をするのだろうという疑問はあるが、物語の肝はそこじゃない。ベリサリウスが特殊な技能や知識を持った仲間を集めて目的を果たすところが面白いのだ。悪いことする連中なので、多少の裏切り行為を織り込んでおかないと作戦は成功しない。裏をかき、裏の裏をかいて進める悪事。いや、悪事という認識は読者にはないだろう。むしろベリサリウスを応援する方向だ。量子もつれ状態について前知識を入れておくと、楽しめると思う。2020/02/15
よしあ
3
わくわくはらはらドキドキの映像向きと思う。が、さっぱり絵面が浮かばず。舞台となる空間の、位置関係が分からん。主役の二人は多分、美男美女だとは思うのだが、なんか表面的で面白みに欠ける。続編もあるそうなので、これからキャラクターが立ってくるのかな。2022/11/12
黒猫堂▽・w・▽
3
長かった、分厚かった。遥か過去に設置されたワームホールを利用して星系間の行き来が可能になり地球時代の名残を残した政権が複数存在する宇宙。非支配的な立場にある政権の軍隊から「軸」と呼ばれるワームホールの出入り口から戦艦12隻をまるごと密輸してほしいという依頼を受けたベリサリウス・アルホーナ、通称「ベル」。ベルは遺伝子操作によって量子解析力を付加された人類の亜種の一人だが生まれ育った星から出て詐欺師として生きてきた。成功すれば巨額の報酬が約束された作戦を成功させるために必要なメンバーを集め…2020/01/13
しい太
2
主人公の境遇、表向きの目的、本当にやりたいこと等々はざっくりわかるんだけど、世界設定とその詳細な説明があまりにわからなさすぎて(量子もつれボタンくらいしか正直わからん)途中からかなり斜め読みになってしまった。亜人種それぞれの抑圧や難局について彫り込むのか、コン・ゲームに振り切って敵方(仲間内含む)との読み合いに割くのか、この大ボリュームであってもどっちつかずな印象ではあった。2023/09/17