出版社内容情報
異星人との外交問題が発生、解決には特別な〈羊〉が必要という。探索を依頼された元兵士は、殺し屋や狂信者に追われることに……
内容説明
地球‐ニドゥ族の貿易交渉の席上で事件がおきた。戦争につながりかねないこの問題の解決のため、ニドゥ族は代償として特別なある「羊」の調達を要求してくる。期限は一週間。凄腕ハッカーの元兵士クリークがこの羊探しを命じられるが、謎の宗教団体に追われ、反ニドゥ勢力の暗殺者に狙われるはめに。そして、ようやく見つけ出した羊の正体とは…。“老人と宇宙”シリーズ著者がP・K・ディックに捧げた冒険活劇SF。
著者等紹介
スコルジー,ジョン[スコルジー,ジョン][Scalzi,John]
1969年、カリフォルニア州生まれ。1991年にシカゴ大学卒業後、地元の新聞で映画評やコラムを書く仕事につく。その後、天文学、映画、経済、ゲームなどについてのノンフィクションや記事をさまざまな媒体で発表してきた。2005年に刊行した第一長篇『老人と宇宙』は、ロバート・A・ハインライン『宇宙の戦士』の21世紀版として話題を呼び、ヒューゴー賞・ローカス賞の候補になり、2006年のジョン・W・キャンベル賞を受賞した。現在はオハイオ州で家族とともに暮らしている
内田昌之[ウチダマサユキ]
1961年生、神奈川大学卒、英米文学翻訳家(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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sin
68
一言で云えばPKDの作品で象徴的に扱われた“羊”を、意図的知的カルト集団の預言に絡めて極めてエスエフチックに創作した作品で、窮地に立たされたときの主人公の万能ぶりも、早くに明かされるその“羊”の意外な正体も読む楽しみを刺激するが、なんといっても地球政府の主導権争いや、それにも増して苛烈なエイリアンの王位争奪の権謀術数に、程度の差こそあれ現実の政治家どものくだらない政権争いを連想してしまった。それに比べると“羊”の手に入れた物の大きさに関わらず日常を恋しがる最後の一言が効いている“我が家にまさる場所はない”2020/05/18
Panzer Leader
52
「第84回海外作品読書会」冒頭のおならテロからこれは一体どうなる事やらと危惧したが、終わってみればユーモアに包まれたSFポリティカル・アクションを堪能できた。いやー、ジョン・スコルジーの作品はどれを読んでも面白いわ。 2017/04/16
Makoto Nakagawa
44
パロディと思いきや、そこそこ骨太なSF。満足。2017/10/30
ひさか
42
2012年10月刊。冗談のようなシチュエーションで始まるドタバタでシビアな冒険のお話。驚かされる場面も多く、楽しめました。2014/11/07
マムみかん(*感想は風まかせ*)
38
面白かった~~!! 私のような SF 超初心者でも、おまけに花粉症で頭がぼーっとしていても、大変楽しく読むことができました。大銀河連邦に加盟して、様々なエイリアンたちと外交交渉にあたっている地球人。凶悪なニドゥ族との戦争を避けるための特別な「羊」探しから、その「羊」を巡る争奪戦へ…。冒険もののワクワクする要素が盛り沢山! そして、緊迫した場面もどこかしらユーモラス。 そもそもの原因も呆れましたが、「羊」の正体もビックリですね~(笑)。 陰の主役(?)ブライアンの設定が好みでした☆2013/03/14