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ハヤカワ文庫
マジック・キングダムで落ちぶれて

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  • サイズ 文庫判/ページ数 275p/高さ 16cm
  • 商品コード 9784150115265
  • NDC分類 933
  • Cコード C0197

内容説明

未来の地球で人類は不老不死を達成した。すでに一世紀以上生きてきたジュールズは、ディズニー・ワールドのマジック・キングダムに住んで、スタッフとして働くという長年の夢をついに実現した。ともに働くガールフレンドのリルは、彼の15パーセントの歳で、ふたりは幸せな日々を送っている。だが、彼を思いもよらぬ事件が待ちうけていた…ディズニー・ワールドで働く不老不死のジュールズの冒険を描く、ユーモアSF。

著者等紹介

ドクトロウ,コリイ[ドクトロウ,コリイ][Doctorow,Cory]
カナダのトロントで1971年7月17日に生まれた。両親ともに教師で、数学とコンピュータ・サイエンスを教える父の影響を受け、幼い頃からその二つの分野に親しんでいた。17歳のとき初めてSFを雑誌に発表し、1998年にサイエンス・フィクション・エイジ誌に発表した短篇「クラップハウンド」で注目され、以来、多くの短篇を発表している。2003年に発表した長篇第一作『マジック・キングダムで落ちぶれて』は、ローカス賞第一長篇賞を受賞した。以後、長篇二冊、短篇集一冊を刊行している

川副智子[カワゾエトモコ]
早稲田大学文学部卒、英米文学翻訳家
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

アナーキー靴下

84
著者の『スタートボタンを押してください』収録「アンダのゲーム」が良く、本書はディズニー・ワールドのホーンテッド・マンションが重要な要素として登場するSFとのこと、期待して読むも満足の面白さだった。ウッフィーという評判が通貨となり、記憶のバックアップとクローンの肉体で不死を達成した人類。主人公と友人ダンは似ているようで周りからの評価は正反対、とはいえ評価だけで人間の善し悪しを見ることはできず、二人の人物像も関係も複雑で面白い。唱道者であるダン、皮肉にもその存在によって主人公はゆるい反体制を固持しているよう。2022/07/26

タツヤ

29
海外のSFのすごいところは、人の思考や行動も、新しい技術があったらこうなるよねという細かいところまで考えられているところ。岡田斗司夫さんの言う評価経済、中国の信用の数値化などの参考になる。 物語としては、あんまり面白いものではなかった。2023/01/08

出世八五郎

18
絶版本。私とは何者か?意識とは?思考とは?…そういうことを追究する内容ではありません。不老不死の世界が成ったらアナタは何をしますか?そんなお話。岡田斗司夫お勧めSF小説動画で予備知識があったから読めましたが、そうでない場合、巻末解説を先に読むのもいいかも知れません。数年前❝社会信用システム❞というものが中国で導入され、❝いいね❞を多くされた者は信頼される(?)そんなシステムだったと思うのですが、作中のウィッフィーがこれと非常に似ており、未来技術が複数登場します。マンガなどで映像化して欲しい。2024/03/22

スターライト

10
人格や記憶のバックアップ、クローン技術の発展により、”不老不死”が実現した近未来。人々からの”評判”が〈ウッフィー〉と呼ばれる単位で量られ、それによって自らの環境が決定するというまるでゲーム世界を地で行く社会で、ディズニー・ワールド内のアトラクション競争が繰り広げられる、というのが本書のストーリー。その時代が気に入らなければ”デッドヘッド”で”スルー”できる中で、人々の生きがいが有限の生と変わらない、というのは何とも皮肉。そこに面白みを感じられないと、本書も退屈に思えるかも知れない。2019/04/30

仲本テンカ

10
《ウッフィー》という名の《イイね!》によって、自分の価値が計られてしまう社会。《ウッフィー》持ちだと見ず知らずの人にさえも支持され、《ウッフィー》貧乏になってしまうと、車や家さえも取り上げられてしまう。そんな評判が重要な社会では、「性格の良い人」であることこそが基本ルールになっていく。けれども、「頭の良い」主人公は、策を練り、相手を蹴落とそうと躍起になってしまう。その為、この行動が仇となり、《ウッフィー》貧乏へと落ちぶれていく…。うーん、評判社会では、「性格の良い人」こそが出世するんですね。厳しい社会だ。2013/03/25

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