ハヤカワ文庫<br> どろぼう熊の惑星

ハヤカワ文庫
どろぼう熊の惑星

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  • サイズ 文庫判/ページ数 446p/高さ 16cm
  • 商品コード 9784150110093
  • NDC分類 933
  • Cコード C0197

内容説明

盗みの天才エイリアン〈どろぼう熊〉。着陸直後から宇宙船に侵入したこの奇怪な生物は、文字どおり“あらゆるもの”を盗みはじめた…。惑星調査隊が直面した血も凍る悪夢をブラックに描く表題作はじめ、世界を支配する秘密結社の苦悩をつづる「秘密の鰐について」、大空に浮かぶ巨大な島の物語「また、石灰岩の島々も」などなど、SF界のホラ吹きおじさんラファティの魅力をたっぷりと詰めこんだ日本版オリジナル傑作集。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

催涙雨

51
ラファティ二冊目。このホラ吹きおじさんが何を言いたいのかよくわからないことは一度や二度ではないのだが、それを含めても面白いと思うからちょっと不思議だ。まあ、意味がわからない部分は少なくないのだが。浅倉氏ですら難解に感じたり、ラファティの作品を形容するのは難しいという話なのだからこれはもはや仕方ない。そういう意味でも「寿限無、寿限無」「処女の季節」「床の水たまり」「イフリート」「公正にして明大」「豊かで不思議なもの」など、純粋な面白味を感じ取れる内容のもののほうが直感的には面白い。あとの作品に混じり気がある2019/01/06

酔花

9
途方もない奇想とそこに秘められている奇妙な論理によって、煙に巻かれる気分を味わえる。「寿限無、寿限無」時間にちょっとばかし混乱を持ち込んでしまった厄介者ボシェルに対し、ロサンジェルスのニュース・スタンドで立ち読みする天使が命じた罰は無限の猿定理の証明だった。宇宙の始まりと終わりが繰り返される中、ひたすら猿がタイプライターをたたき続けるという無駄な壮大さが良い。「処女の季節」ラファティ版ラセンウジバエ解決法。表題作や「世界の蝶番はうめく」もいいなあ。現実の悲劇は蝶番がひっくり返ったことが理由だったのかも。 2015/02/14

Aminadab

4
『九百人の…』に続いて手にとった。オクラホマ州に雪男がいる「とどろき平」がとても変。「世界の蝶番はうめく」も鮮やか。「ダマスカスの川」の前半の過去再現の可笑しさ(後半はわけがわからない)。表題作の残酷。「床の水たまり」の子どもの怖さ。少し同工異曲になってきたけれど、もう一冊読んでみようか。2018/01/07

gu

4
面白かったのかどうかよくわからない。だからきっと面白かったのだろう。書かれていることがそのまま起きているからラファティの作品は恐ろしい。2012/11/30

U-tang

4
ラファティ一冊目。イメージよりも難解な要素があるのだなと知る。「世界の蝶番はうめく」が俺はベスト。物語の展開と解決がはっきりしているし、オチもまたあるからだ。「寿限無、寿限無」はすごいこと考えるなと思わされたし、「また、石灰岩の島々も」は設定が好きだ。後半は変な話と言う体で作家の変化なのかなと推測しながら面白がった。2012/03/18

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