ハヤカワ文庫<br> アザー・エデン

ハヤカワ文庫
アザー・エデン

  • ただいまウェブストアではご注文を受け付けておりません。
  • サイズ 文庫判/ページ数 411p/高さ 16X11cm
  • 商品コード 9784150108274
  • NDC分類 933
  • Cコード C0197

内容説明

無生物にとって神とは何か?この命題をいとも軽快に描きあげるイアン・ワトスン「アミール時計」、放射能で汚染された雨の降る近未来を舞台に、母娘の愛憎を情感豊かに歌うタニス・リー「雨にうたれて」、人跡未踏の惑星で探険隊が発見するものは…マイクル・ムアコック「凍りついた枢機卿」、相対性理論がもたらす“ウラシマ効果”にブライアン・オールディスがひねりのきいた結未をつける「キャベツの代価」など、本邦初紹介の新鋭から、さらに円熟味を増した大家まで、今日のイギリスSFを代表する作家の傑作中短篇14篇を収録。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

亮人

23
80年代の終わりに英国で編纂された英国SFアンソロジー。イアン・ワトスンの「アミールの時計」が傑作と聞いて読んだんだけど傑作だった。機械の神という発想が素晴らしい。機械の神からの啓示がシンギュラリティに結びつくという奇想に惚れ惚れ。他はムアコック「凍りついた枢機卿」のオフザケ一歩手前の不条理SFも大好き。オールディス「キャベツの代価」のウラシマ効果の悪用も面白い。リサ・タトル「きず」のただのフェミニズム系と見せかけてのラストのSF的切れ味も素晴らしい。英国の薄暗さもあるけど印象的な良いアンソロジーでした!2015/11/24

くさてる

4
イギリスSFアンソロジイ。汚染された未来世界を舞台に、母と娘の絶対的な関係を寓話的に描く、タニス・リー「雨にうたれて」と、設定の妙を説明しきれない、最後の一行が怖ろしい、リサ・タトル「きず」の二編が圧倒。2011/01/06

The lost FRIGATE

3
《★★★☆☆》聞いたことある作家から全く知らない作家まで、様々なイギリスSF14編を集めたアンソロジー。一言で言えば玉石混淆。まぁアンソロなんて大半がそうなんだろうけど。情景とか描写は抜いて、真正面からSF的に面白かったのはイアン・ワトスン「アミールの時計」、グレアム・チャーノック「フルウッド網」、ギャリー・キルワース「掌篇三題」のうちの『豚足ライトと手鳥』、デイヴィッド・ガーネット「月光団」、リサ・タトル「きず」。イギリスSFっていうジャンルは分からないがまぁ面白い、国別で他にも読んでみたい。2012/05/31

桜子

2
玉石混淆のアンソロジー。以下、面白かった作品。「雨にうたれて/タニス・リー」母娘の葛藤劇。「アミールの時計/イアン・ワトスン」機械天使!長編で読みたかった。「キャベツの代価/オールディス」ウラシマ効果の悲劇。「フルウッド網/グレアム・チャーノック」偶然の連なりが引き起こす災禍。「凍りついた枢機卿/ムアコック」シュール!「豚足ライトと手鳥/ギャリー・キルワース」キレのある奇想譚。「きず/リサ・タトル」教師オーリンは自分と同じバツイチのセスと友情を深めたばかりに、男の矜持を揺るがす一大事に陥る。ラストに戦慄。2012/01/11

権三郎

1
イギリスSF短編集。アメリカとも日本とも違う朔風が集まっています。「凍りついた枢機卿」が題名そのままで、ギャグなのか深い思索があるのかわからない。「ささやかな遺産」は解説では純文学と書いてあったが、ホラーだと思いました。2022/04/02

外部のウェブサイトに移動します

よろしければ下記URLをクリックしてください。

https://bookmeter.com/books/485844
  • ご注意事項