ハヤカワ文庫<br> ノーストリリア―人類補完機構

ハヤカワ文庫
ノーストリリア―人類補完機構

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  • サイズ 文庫判/ページ数 429p/高さ 16cm
  • 商品コード 9784150107109
  • NDC分類 933

内容説明

時は〈人間の再発見〉の第1世紀。シェイヨルの星が、リンゴを服の袖でこするように磨かれていた時代。銀河随一の富める惑星ノーストリリアで、ひとりの少年が地球という惑星を買いとった。少年は地球へやってきて、なみはずれた冒険を重ねたすえに、自分のほしいものを手に入れ、ぶじに帰ることができた。あんなことは一度あっただけ。二度と起こらないようにわれわれは手をうった。お話はそれだけだ。さあ、これでもう読まなくてもいい。ただ、こまかいところは別。それはこの本のなかに書いてある。ひとりの少年が出会った真実の恋と、手に汗にぎる冒険の日々が…。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

あさひ

15
これは本の初めにも書いていますが本当に単純なあらすじです。にも関わらずこんなに面白いのはこの物語がスミス独自の世界であり未来であり想像を越える創造されたSFだからなんだと思います。ずっとこの世界を読み続けたい!2012/10/04

アルビレオ@海峡の街

11
あとがきより「スミスについて最も重要なのは、彼の短篇すべてが、完全に首尾一貫した幻想宇宙とじかにかかわっているということである。それらはひとつのシリーズの続篇というよりは、巨大なモザイクの中の一枚のタイルに近い。宙ぶらりんの結末や伏線のように思えるものも、実はべつの部分の重要な断片であって、あとでそちらのタイルを並べおわったとき、はじめて作者の意図した機能を帯びてくる。」まさにそんなタイルを並べおわった後のような作品。ただ、人類補完機構シリーズが未完だということが惜しまれる。2012/06/06

6
160世紀の間を点で描く彼の作品群には最近出た短編集で始めて出会ったけれど、1話ごとの強度(SFにおいてもドラマとして見ても)にハートを盗まれっぱなしなわけでして。唯一の長編であるこれはそれらのモザイクかけらを集めている側面が大きく、短編読んでからで良かった~と読む順番に安堵。人類補完機構2巻を読んでからがオススメ。とはいっても長編なのに(長編だから?)他の話に比べるとパンチが弱かった。2017/03/15

月世界旅行したい

5
スミスが今蘇ったらどんな面白いSFを書くのでしょうか。すさまじい作品です。2014/04/13

がんぞ

5
主人公はクメルと結婚できない代わりに彼女と共有する「千年に思える夢」のなかで思いを満たした。何十匹も子猫が生まれ、夜泣き?乳やり、給餌、狩猟教育、などに苦労したことだろう、苦労は楽しみだ。その夢の中の夢はどんなものだったろうか。昔は夢などしょうもないじゃないかと思ったが、人生の終わりに近づいた今となっては夢を見られた幸福をうらやむ。同種の夢は主人公を憎んだ「抗老化剤不可の特異体質」のライヴァルにも与えられ、彼も満足した。ともあれ“死”を克服した姿は感動を呼ぶ、“満足しての死”には何年何人の子が必要だろう?

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