内容説明
司直の権威もとどかぬ無法宙域〈圏外〉で略奪と搾取をほしいままにし、悪の権勢をふるう5人の〈魔王子〉―だが復讐の化身ガーセンの正義の鉄鎚のまえに、すでに3人が葬られた。ガーセンが第4の標的に定めたレンズ・ラルクは容貌魁偉、粗野な気性と狡猾なまでの商才の持主である。ガーセンはこの仇敵の足取りを追って、ヴェガから奇嬌な民族の住む砂漠の惑星ダー・サイへ、そして特権階級が典雅に暮らすメヒルへと飛び、一歩一歩彼を追いつめてゆくが…ヴァンスがその真骨頂であるエキゾティシズムをいかんなく発揮し、かってない壮大な規模で放つ好評シリーズ第4弾。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ニミッツクラス
25
86年(昭和61年)の500円の青背初版。ヴァンスの“魔王子”ポリロジー(全5巻)の4巻目。前作から12年振りに上梓した本書はヴァンスの面目躍如。シリーズの中で一番のテキスト量で、カネに物を言わせて冒頭から畳みかける流れは、スロースタータの前作までとは一線を画す。もちろん肉弾戦で命を懸ける場面もある。安定の翻訳浅井氏、萩尾氏カバーで、酒井氏の11頁強の解説が熱い。主人公が4話目で死ぬわけないから、和製ピカレスクに馴染んだ人にも充分読める。“さらなる悪漢ぶり”を期待して良いらしい5巻目へ進む。★★★★☆☆2020/11/11
Abercrombie
6
何度目だろう?とにかく!再読。特異な風俗の砂漠の星と特権階級が治める星を舞台に、主人公の繰り出すあの手この手の嫌がらせに、抵抗も虚しく追い詰められてゆく、4番目の標的<巨鳥>レンズ・ラルクの姿が憐れで笑える。ジャック・ヴァンスと云えば、女性を描くことの下手さにかけては定評があるし、このシリーズでも、ヒロインとは名ばかりの印象の薄い女性キャラが登場しては即退場してたわけだけど、今回ばかりは意味がある? ヒロインとの交際を猛反対する、特権階級を鼻にかけた、憎ったらしいオヤジの存在は、オチの痛快さを際立たせる。2019/01/05
inugamix
4
うおー最後の最後までひっぱったなぁ! 小気味いいラスト。今回のガーセン、株券買い占め競争という変則バトルで変幻自在の活躍を見せてくれる。2013/07/05
daken
1
いい笑顔だ2012/10/19
gern
1
オチがすげえ!2010/06/21