感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
鐵太郎
8
医療とか生物学的には、時代を背景としていますね。隔離とか検疫とか、いまのパンデミック対策を考えると甘い。というより、ほとんどなにもない。でもこの主題は、人々の間に発生したさまざまなトラブルを、第三者の立場にある権力ある旅人がどう裁くかということ。カルフーンは決してだれかの正義の味方ではない。正しい判断・皆が幸せになる結果を残す訳でもない。ただ規則と、現地の人間より上の視点で見た人類愛のような基準に従って、解決策を与えるだけ。なんか、いいなぁ。ラインスター節。2010/08/28
ニミッツクラス
5
84年の初版(340円)を読んだ。メド・シップの短編8話を3分冊で刊行した内の一冊目。カバーは表題作のイメージ。星間医療局のメド・シップは小型だがれっきとした恒星船。駆るはTOSやTNGなどの船医とも違う公衆衛生的検疫や啓蒙が主務の主人公カルフーン(相棒付き)。表題作は恒星間親子喧嘩の様相で、“祖父たちの戦争”では意味が取りにくいが、短編としての原題がそうなっているので、そのまま訳すしかないのだろう。今更ヴォクトやラインスターを読み返している時間は無いのに、無性に読みたくなるのでこれも病気か。★★★★☆☆2015/07/25
Johnny-T
4
銀河の星々に進出し、開拓を進める人類。だが、フロンティアには地球では思いもおよばぬ異様な疾病が存在していた。医療船(メド・シップ)で各植民星を巡回し、検疫と最新医療情報の周知をする星間医療局のエージェント・カルフーンとその相棒マーガトロイド。病気という強大な敵に勇敢に立ち向かう彼らの雄姿。それぞれのエピソードの“病気”はどれも一筋縄でいかないくせものばかり。謎解きあり、アクションあり、SFガジェットも豊富で考証もバッチリ。今読んでも色あせない面白さ。50年代の本とは思えない。2010/11/26
みどりん
1
猫のピートの後はマーガトロイドに会いたくなって本棚の奥から。宇宙動物トーマルのマーガトロイドはふさふさしっぽで人まねが大好き。宇宙を旅する医療局員の大切な相棒。各惑星を訪れ公衆衛生を管理するメド・シップの物語。2019/03/02