ハヤカワ文庫<br> 神鯨

ハヤカワ文庫
神鯨

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  • サイズ 文庫判/ページ数 433p/高さ 16cm
  • 商品コード 9784150103125
  • NDC分類 933

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

えふのらん

3
終末の後、ディストピア化した社会からユートピアへの脱出劇。  環境汚染や食糧不足に追い詰められ、徹底的に合理化された社会が強烈な印象を残す。色とりどりの”ペースト”を食べ、人間的な生活を送ることのできる市民はごく一部。そんな市民も食料の供給率が下がれば、仲の良くなかった友達を指差して、過酷な労働へと送り出す。労働者は溝さらいをしながら、壁にへばりついたナメクジを食べて、カロリーを摂取して生きながらえる。死んだ労働者をペーストにして食されるというのだから、管理社会ここに来たりという感じがする。  他に2015/12/24

Empirestar

2
物語の全体構成はやや破綻しているものの、機械とシロナガスクジラの有機サイボーグの「ロークァル・丸」のヴィジョン、マスコットキャラの三葉虫、退化した人類と水没した世界の中で環境適合した水棲人たちとのイメージなど、様々な意味で想像力を喚起する小説だった。また著者のバックグラウンドが生かされた形で、遺伝子工学の話が利用されており、それが結構ひどいことになっていたりする。非人間的で容赦ない描写も多い。 2010/08/17

いしやま

1
ディストピア〈ハイヴ〉がいい具合にイかれてる。配給製品が何でも爆発するのは「爆発物を組み込んであるから」。PARANOIAにも応用出来る理屈デスよー #trpg2011/12/28

斑入り山吹

1
これは大事に大事においてある本なのだ。とはいえ20年くらい寝かしておいたのでずいぶん新鮮に読めた。一応生物学を専攻していたので、こういう生物の豊穣さが本当に心の奥底に響く。都合いいっちゃいいんだけれど、そういうのも気にせずどんどん読み進むことが出来る。伏線がすぐ回収されストーリーがどんどん進むので、飽きないと思う。科学技術がすすみ生活が便利になるとヒトは脆弱になる、ってテーマはわたしもひしひしと感じている。まだ20年前のほうが絶対みんなスキルがあったよ。飯も作れない、服も作れない、等。ほんとに良い本です。2011/08/12

うれしの

0
昔、筒井康隆が書評で誉めてるのを読んで、カバー絵もなかなか良いなあそのうち読んでみようなあとか思っていたら、いつの間にか書店から消えていて入手困難本になっていたのをようやく神田で見つけて、めでたく読了。へんてこりんな話がトントン進んで(誉めてます)多少ご都合主義的なところも含めて神話を読んでるような感じでした。2014/10/26

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