ハヤカワ文庫<br> 悪徳なんかこわくない 〈下〉

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ハヤカワ文庫
悪徳なんかこわくない 〈下〉

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  • サイズ 文庫判/ページ数 417p/高さ 16cm
  • 商品コード 9784150102616
  • NDC分類 933

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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

roughfractus02

9
メフィストフェレスとの命を賭した取引の中でも、ファウストの精神と身体は死の瞬間まで自己同一性を保ったゆえに、『ファウスト』第一部の悪徳によって妊娠するのは純朴なグレートヒェンだった。一方本書では、自分の凍結した精子を自分の脳を移植した女性秘書の体に人工授精して自ら懐妊する。本書での悪徳は単為生殖的行為を通して、精神から身体に自己同一性なる考えを移植することなのだろう。確かに、ギリシャ神話の世界に旅して主人公が死ぬ『ファウスト』第二部と対照的に、本書後半では月世界へ旅して出産するという帰結が用意されている。2023/11/27

Pustota

3
あまり気分が乗らず、とても時間がかかってしまった。起きていることの衝撃と気持ち悪さから色々考え感じさせられた上巻だったが、下巻はただただ自分も周りも状況を受け入れて好き勝手やっている。いやいや君たちもうちょっと悩んではどうだい?そのお気楽さはらしいっちゃらしいのだが、小説としては退屈というか。サドの小説もちょっと似ている。理念は最初に語った、あとは実践が続く。物語のテンションが上がらないなーって思ってしまう。2019/09/13

2兵

3
若い女性(ユーニス)の遺体に脳を移植して、美女(ジョアン)に転生したジジイ(ヨハン)。しかし、その人格は、男なのか女なのか。そもそもその意識は、ヨハンの物なのかユーニスの物なのか。ああ、ややこしい。終盤には、ジョアンの夫の魂まで加わっちゃうし、読んでいて訳がわからなくなる…。性同一性障害の人が読んだらどう思うのだろうか。寧ろ、ハインラインとしては、その辺りをテーマとして描きたかったのかな。最後の終わり方がすごく唐突で、インパクト大。邦題に「?」と思ってたら、矢野氏があとがきで解説してくれました。成程。2017/02/23

たかみ

2
記憶はどこに宿るのか問題に焦点を当てた場合、ユーニスやジェイクの意識はヨハンの妄想である可能性もあって、そこが曖昧なのが面白いと思っていたのだけれど、子供にまで宿ってしまったら行きすぎ。それとも、あれもジョアンが死にゆく意識の中で見た幻ということなのか。2011/09/26

ソフラン

1
あの3人が乗った肉体ってどう育っちまうんだよ……なむあみだあ。2011/01/28

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