感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
maja
13
考古学者バットウェイは雷が落ちた弾みで古代ローマにタイムトリップしてしまう。この作品が発表されたのは1939年。シニカルな笑いのセンスがとても洒落ている。シリアの金貸しが、バットウェイの得体の知れなさに引きながらも彼の「機知」に商機の芽を嗅ぎ取る。及び腰と好奇心と欲にややこしく揉まれるトマススと、皮肉屋バットウェイとのコンビの面白さが魅力的で人種や勢力が入り乱れる古代ローマの様子も楽しい。 2019/06/09
マーブル
6
タイムスリップもしくはタイムトラベルものと言えば、本来繋がるはずのない、別な時間の紐同士がいかに結び合わされるか、が見処の一つだと思うのだが、こちらはちょっと違う。「歴史改変もの」と言う表現を今回知ることができた。 多くは過去に戻った主人公が、現代の発明品や知識を用いて歴史が変わっていく様を描いている。パラドックスへの対応はそれぞれだが、基本的に、知っている歴史がどう変わっていくかを楽しむもの。 そう、知っている歴史だともっと楽しいんだろう。2017/02/24
Johnny-T
1
西暦500年代の古代ローマにタイムスリップしてしまった20世紀人の考古学者が挑む歴史を変えるための孤独な戦い。最初の武器は複式簿記だ!2011/01/10