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出版社内容情報
地元から遠いアパラチア山脈の自然保護地区で職を得たライス・ムーア。ある日、胆嚢を切り取られた熊の死体が発見される。熊の臓器は闇市場で高額で取引されている。密猟犯を追うライスは、そのせいで過去に逃れてきた因縁の相手に所在を気付かれてしまい……
内容説明
アパラチア山脈の麓で自然保護管理の職を得たライスは、故郷から遠く離れ、穏やかな日々を送っていた。ところが、管理区域で胆嚢を切り取られた熊の死体が発見される。熊の内臓は闇市場で高値で取り引きされている。ライスは密猟者を追うが、地元民は非協力的で、前管理人で生物学者のサラを暴行した犯人もまだ見つかっていない。味方はサラと動物たちだけという孤立無援の状況で、さらに疎ましい過去の因縁―麻薬カルテルの暗殺者も迫りくる…アメリカ探偵作家クラブ賞最優秀新人賞に輝く冒険ノワール登場。
著者等紹介
マクラフリン,ジェイムズ・A.[マクラフリン,ジェイムズA.] [McLaughlin,James A.]
ヴァージニア州の山のなかで育つ。ヴァージニア大学で法学と美術学を修める。ネイチャー系の雑誌などに寄稿。2018年に初の長篇小説となる『熊の皮』を上梓し、アメリカ探偵作家クラブ賞最優秀新人賞を受賞
青木千鶴[アオキチズル]
白百合女子大学文学部卒。英米文学翻訳家(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
1 ~ 1件/全1件
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
のぶ
86
アメリカの大自然を背景にした良い話だった。この手のものを読むとC.J.ボックスを連想してしまうが、何となく似ている。本作の舞台は東部のヴァージニア州。主人公は自然保護区の管理人のライス・ムーア。ある日、胆嚢を切り取られた熊の死体が発見される。熊の臓器は闇市場で高額で取引されている。本筋はこの密猟者を追う事に設定されているが、その後、麻薬カルテルの暗殺者が迫り来たり盛り沢山になってくるが、この本の良さはあくまでライスと熊との話だと思う。ライスのキャラに好感が持てたので、今後シリーズ化するなら追いかけたい。2020/01/26
goro@80.7
70
過去から逃れるためアパラチア山脈の広大な私有地での自然保護管理を任されたライス。一人穏やかな日々は続かず熊の密猟事件が起きる。保安官には頼らず密猟者を探し始めるが麻薬がらみへと発展し、因縁の相手にも居場所を知られてしまう。全編に渡って会話は少なく自然の描写が多いのだが、それが苦にならない。まるで自分がライスと共に彷徨っているような気になるのは新人とは思えない著者の力量と訳の上手さだと思う。深い山の中にいるような感覚だった。野生猫メル、犬のボージャーそしてサラのその後が気になる。2020/08/27
秋風
63
麻薬闇カルテル組織から追われているライスは名前を変えアパラチア山脈麓で自然保護管理を職を得て身を隠し故郷から遠く離れて独り暮らしていた。禁猟区で発見される熊の死骸は手足と胆嚢を切り取られて闇市場で高値取引されていた。前任者のサラは暴行され犯人の見当もつかず、密猟犯との熾烈な闘いが始まった。ライスの過去の因縁が絡み思わぬ方向へと話が進んでいった。森の中の描写が秀逸でした。2019/12/13
あさうみ
56
初めはCJボックスの作風に似てるか?とも思ったが、違う。カルテルから追われる身、別人を名乗り管理官として働く。おおらかな自然と危険が迫るじわじわとした恐怖。新手のノワールだ。主人公含め男達の心意気が痺れる。あと、サディが可愛すぎて、血なまぐささもほぐれるではないか。犬好きホイホイ小説の1つだ。2019/11/11
AICHAN
39
図書館本。冒頭はだらだらしていてまったく面白くなくて「なんだこりゃ」と思いながら読み進めた。そのうち面白くなり、ぐいぐい引き込まれていった。ただし、本筋と関係のない叙述が多すぎる。そのためかなり長い物語になっている。もっと削ってスマートな物語にできたはず。「アメリカ探偵作家クラブ賞新人賞に輝く冒険ノワール」と裏表紙にあるが、「なんでこれが?」というのが正直な読後感だった。2021/10/16