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内容説明
第一部―陪審。ある殺人事件を裁くために選ばれた十二人の陪審員。彼らのなかには誰にも知られてはいけない秘密を持つ者もいる。そんな陪審員たちの職業や経歴、思想などが浮き彫りにされ、各々が短篇小説を読むような面白さとなっている。第二部―事件。莫大な遺産を相続した十一歳の少年と後見人の叔母。孤独な少年が唯一愛する一匹の兎をめぐり、二人は静かなる闘いを繰り広げ、やがて異様きわまる殺人事件へと…第三部―審理と評決。証言ごとに揺れ動く陪審員の心の動きをメーターの針で図示。様々な思惑を秘めた十二人の評決は。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
KAZOO
102
この本は戦前に出版されたものらしいのですが、あまりそのような古臭いことを感じさせません。法廷ものだからでしょうか?題名だけ見るとある映画を思い出してしまうのですがまるっきり内容は異なります。三部構成で最初は陪審員たちの紹介、次は事件の経緯、最後は陪審員たちの心の揺れと結末ということで私は楽しめました。心の揺れをメーターで表したのは面白いのですがそれをもう少し揺れるような感じを入れてみたらという気がしました。2018/06/21
Kitinotomodati
4
第一部がめっぽう面白い。結末はなんとなく想像できちゃった。既読作?と落ち着かなかったが、そうか『サキ短編集』に源流があったのか。2020/07/17
Aiko
2
正直、序盤の陪審員たちの背景が語られていくくだりが一番読んでいて楽しかった。この作品を読んでいて「十二人の怒れる男」を思い起こす人は多いだろうが、正直ラストのカタルシスはあっちのほうが上だと思う。2012/08/27
不璽王
2
結果より過程が楽しい。 ラストの真相にインパクトが無くてカタルシスが得られなかったのが残念。2008/11/08
シロくますけ
1
「歴史的名作」ね…まぁこの時代では名作だったのかも。今の法廷ミステリを読み慣れているとなんとも素朴。というかそっけない。乱歩の解説でチェスタトンの有名短編のネタバラシをしてるので気をつけましょう。2024/02/19