内容説明
金融が怪物化している。今や巨額の国際短期資本が瞬時に移動し、一国の経済全般を破壊するまでになった。金融のグローバル化は、“信用”の一方的な拡大をもたらすが、それに見合うだけの“信頼”を、どう補填するのか。私たちはこの先、貨幣や金融とどのようにつきあっていくべきか。アジア経済危機など昨今の金融市場の混乱を例にとり、経済学の盲点だった、取り付けや伝染などの発生メカニズムを原理的に解明。金融システムの中に芽生えつつある、新しいコミュニティ原理に着目し、制度改革の方途を模索する意欲作。
目次
序章 貨幣とどうつきあうべきか
第1章 貨幣の罠から抜け出せるか
第2章 金融システムはどうふるまうのか―「主流派経済学」批判
第3章 貨幣の遠近法―イギリス金融史をさかのぼる
第4章 中央銀行という奇妙な制度
第5章 新しい貨幣の回路―金融システムをどう変えるか
著者等紹介
竹田茂夫[タケダシゲオ]
1949年、東京都生まれ。一橋大学大学院経済学研究科博士課程修了、ニューヨーク州立大学Ph.D.専攻は、理論経済学。ベルリン自由大学助手を経て、現在、法政大学経済学部教授
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