NHKブックス
“歴史”はいかに語られるか―1930年代「国民の物語」批判

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  • サイズ B6判/ページ数 278p/高さ 19cm
  • 商品コード 9784140019139
  • NDC分類 210.7
  • Cコード C1320

内容説明

“歴史”とは何か、それはどのような役割を果たすのか―日本が総動員体制へ向かう一九三〇年代、“歴史”は、均一的な「日本人」を主語とする「国民の物語」へと変貌し、その語りを通して、排他的な共同体意識をうみ出していく。島崎藤村の歴史小説や火野葦平の戦記、そして女性たちが記したルポルタージュなど、三〇年代の多様なテキストを取り上げ、それらの語りに、「われわれ日本人」という歴史意識形成のメカニズムを探る。過去/現在を語る装置としての“歴史”のあり方を問い直す注目作。

目次

序章 なぜ、“歴史の語り”が問われるのか
第1章 「歴史」の語り―一九三〇年代の明治維新像(「歴史」を描く三つの領域;『夜明け前』の世界―「地域」から描かれる明治維新 ほか)
第2章 「戦争」の語り―日中戦争を報告する文体(ルポルタージュから戦争文学へ;火野葦平の戦場―『麦と兵隊』『土と兵隊』の文体 ほか)
第3章 「現場」の語り―貧困と啓蒙の一九三〇年代(「現場」からのルポルタージュ;『小島の春』と『女教師の記録』―啓蒙への情熱 ほか)
終章 広島と沖縄戦の語りから―「国民の物語」を超えて

著者等紹介

成田龍一[ナリタリュウイチ]
1951年、大阪市生まれ。早稲田大学大学院文学研究科博士課程中退。専攻は、近現代日本史。現在、日本女子大学人間社会学部教授。主な著書に、『「故郷」という物語―都市空間の歴史学』(吉川弘文館)、『総力戦と現代化』(編著、柏書房)、『東京都の百年』(共著、山川出版社)、『戦争はどのように語られてきたか』(共著、朝日新聞社)、『歴史学のスタイル―史学史とその周辺』(校倉書房)など
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

takao

1
ふむ2022/04/03

頓狂老人

0
現代歴史学において、成田史学史のような「メタ的」な視点は不可欠なんだろうけど、物語と実証の問題はどうしても残る。歴史学・歴史社会学・歴史小説など様々な「歴史」の在り方について、時間をかけて考えていきたい。2017/02/08

いちはじめ

0
これは、論点が少し変なのではないか?2001/06/01

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