内容説明
エンゲルベルト・ケンペルは、1690(元禄3)年、長崎オランダ商館付の外科医として、日本を訪れた。戦乱に倦み疲れた西欧を離れ、五代将軍・綱吉の治世のもと、徳川政権が最も栄え、泰平の世を謳歌した元禄の社会と文化を、ケンペルはどのように観察し、そして記録に残したのか。日・独・英の研究者により、克明な見聞記『日本誌』を読み解き、“とざされた国”の状況を検証する。
目次
第1部 ケンペルと日本(エンゲルベルト・ケンペル;ケンペルとヨーロッパの日本観)
第2部 ケンペルとその時代(元禄時代の経済と社会;ケンペルのみた元禄の社会と文化 ほか)
第3部 ケンペルの眼から(ケンペルと比較文化の眼;急浮上した世界のケンペル研究(座談))
第4部 ケンペルの日本資料をめぐって(『日本誌』と英国に伝わるケンペル遺産;ケンペルと今村源右衛門英生)