内容説明
「ミヤコ」とは何だろうか。宮処として、王宮の所在するところ、政治・経済・文化の中心としての首都は、やがて繁華な祝祭空間=都会として発展する。「ミヤコ」に魅せられ、惹きつけられる人々のミヤコ志向は、「ミヤコの辺」=野と町の境界を、郊外を、田舎を吸収してゆく。それは都市域の限りない増殖による、無秩序な日本の都市の姿を浮かびあがらせている。本書は、京都・東京という二つの「ミヤコ」をモデルとして、「棲み家」としての都市―郊外空間の意味を問い直し、更には、人々の営為を外界に表現する都市の「意味空間」を考えるものである。
目次
第1部 「ミヤコ」の系譜(ミヤコとは何だろうか;平安京から京都へ―ミヤコ平安京の変遷;ミヤコと首都と;「あづまの都」の意味空間)
第2部 「ミヤコ」の宇宙誌(都と鄙の境界;ボストンと郊外―遠心的都市化;内に向かうモザイク都市―京都の求心的都市化;ミヤコ東京の「辺(ほとり)」
ミヤコ空間を鳥瞰する)