内容説明
近代以前、文明の中心にあったアジアから主要物産を輸入していた日本と西欧は、鎖国、近代世界システム確立の過程で輸入代替化に成功し、併行的発展をとげた。さらに開国後、文化の相違により西欧と競合しなかった日本は、アジア間競争の勝者になっていく―。そうした過程を木綿を例に実証。物産利用に文化差が関わる事実に着目して、西欧モデルの単線的な発展段階論を批判し、アジア、西欧を視野に入れて考察するスケールの大きい日本文明論。
目次
序 アイデンティティの探究
第1部 日本と西欧の併行的「脱亜」―アジア文明圏からの自立(鎖国と近代世界システムの連関;本綿の西方伝播とイギリス産業革命;木綿の東方伝播と日本産業革命;「脱亜」の2つの形)
第2部 「経済と文化」の構想(唯物史観と近代日本;今西「自然学」への注目;文化・物産複合論;日本文明の形)
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