出版社内容情報
平安文化が結実した『源氏物語』をテーマに東アジア世界の文学という視角から,表現のみならず交易事情・唐物をめぐる叙述に注目し読み解く.さらに絵巻の復元や,翻訳・現代語訳など現在への享受史を通して新たに浮かび上がる『源氏物語』の世界像を提示し,研究領域を拓いていく.
目次
第1部 『源氏物語』と東アジア交易圏(鴻臚館に行く光る君;『源氏物語』の時空意識―桐壷巻を起点として;唐物と文化的ジェンダー―和と漢のはざまで;紫式部の国際意識)
第2部 メディアとしての唐物(若紫巻の光源氏と唐物―瑠璃壷・金剛子の数珠・黄金;末摘花と唐物―唐櫛笥・秘色・黒貂の皮衣 ほか)
第3部 『源氏物語』の人物と表現(『源氏物語』の比喩と象徴―「光」「光る君」「光る源氏」再考;光源氏の身体と装いをめぐって;六条御息所と謡曲『野官』のドラマトゥルギー―『源氏物語』の人物構造;夕霧の幼な恋;螢巻の物語論と性差)
第4部 『源氏物語』から『夜の寝覚』へ(『夜の寝覚』と『源氏物語』―「寝ざめ」の表現史;『夜の寝覚』と話型―貴種流離の行方;中村本『寝覚物語』の構造;『夜の光に追われて』私論―〈生〉と〈死〉の分界を超えて)
第5部 現代によみがえる『源氏物語』(世界文学としての『源氏物語』;越境する翻訳と現代語訳 ほか)
著者等紹介
河添房江[カワゾエフサエ]
1953年生まれ。1977年東京大学文学部国文学科卒業。1985年東京大学大学院人文科学研究科博士課程単位取得退学。東京学芸大学教育学部教授。博士(文学)(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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