小説のしくみ―近代文学の「語り」と物語分析

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小説のしくみ―近代文学の「語り」と物語分析

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  • サイズ B6判/ページ数 420p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784130830706
  • NDC分類 901.3
  • Cコード C1090

出版社内容情報

現代の文学理論、とくに小説という形式における物語論を解説し、日本の小説をより深く楽しむヒントを読み解く。語ることで立ち現れる虚構の世界.語り手が担う「語り」のしくみを解きあかすことで,小説の物語はより深くより豊かなものとなる.小説を読むとはどのようなことか.語る行為,読むという行為を問いなおす,物語論と日本近代文学との出会い.

第一章 テクストの相

1 三つの相――物語内容、物語言説、物語行為/2 太宰治「浦島さん」/3 物語内容とは何か/4 物語行為/

5 語りに仕組まれる読みの方向/6 読みの方向と物語内容



第二章 語り手と語りの場

1 語り手という存在/2 語り手の姿――読者と向きあう語り手/3 語り手と物語世界/4 語りの階位/

5 枠物語――外枠の物語と埋め込まれた物語/6 物語を作る語り手――永井荷風『墨東奇譚』/7 聞き手と向き合う語り手



第三章 語りの視点

1 心の中を語ること/2 焦点化――誰が知覚し、誰が語るのか/3 焦点化概念の変容/4 黒澤明『羅生門』と芥川龍之介「藪の中」の語り/5 芥川龍之介「偸盗」の語り



第四章 テクストの声

1 テクストから聞こえる声/2 森鷗外「山椒大夫」における話法の処理



第五章 語りと時間

1 小説の中の時間/2 順序/3 持続/4 頻度



終 章<br>

テクストと向き合う読者――「読者」の二つの意味/分析の対象としての語り/物語論の限界――テクストの外へ



The Makings of Fiction: An Introduction to the Narrative Analysis of Modern Literature

Katsuya Sugawara



菅原 克也[スガワラ カツヤ]
菅原 克也
菅原克也:東京大学大学院総合文化研究科教授

内容説明

芥川龍之介、安部公房、泉鏡花、太宰治、永井荷風、夏目漱石、三島由紀夫、森鴎外…魅力的な日本近代文学の作品を例に、地に足ついた日本語で文学理論を語りなおす試み。

目次

第1章 テクストの相(三つの相―物語内容、物語言説、物語行為;太宰治「浦島さん」 ほか)
第2章 語り手と語りの場(語り手という存在;語り手の姿―読者と向きあう語り手 ほか)
第3章 語りの視点(心の中を語ること;焦点化―誰が知覚し、誰が語るのか ほか)
第4章 テクストの声(テクストから聞こえる声;森鴎外「山椒大夫」における話法の処理)
第5章 語りと時間(小説の中の時間;順序 ほか)
終章(テクストと向き合う読者―「読者」の二つの意味;分析の対象としての語り ほか)

著者等紹介

菅原克也[スガワラカツヤ]
1954年生。東京大学文学部卒、同大学院人文科学研究科比較文学比較文化専門課程博士課程単位取得退学。現在、東京大学大学院総合文化研究科超域文化科学専攻教授(比較文学比較文化)(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

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miori

14
第一章 テクストの相/第二章 語り手と語りの場/第三章 語りの視点/第四章 テクストの声/第五章 語りと時間/終章------橋本陽介『物語論 基礎と応用』も好著ですが、さらに詳しく「語り」について述べられた本でした。「誰が語るか」「いかに語るか」あやふやだった小説の視点について、理解が進んだように思います。まだ充分とは言えませんが・・・・・・太宰治『浦島さん』芥川龍之介『藪の中』森鴎外『舞姫』『山椒大夫』などのテクストを引用し、小説のしくみを丁寧に解説していて、小説への興味が膨らむ名著でした。2022/10/01

かんちゃん

7
同時期に購入した橋本陽介「物語論 基礎と応用」と並べて読む。同じジュネットの議論を下敷きにしているが、翻訳にかなり差異が見られるのは、この分野の議論がまだ発達段階だからか。分析の対象とするテクストを日本の近代文学にし、小説中における「語りの場」がどのように構築されているかを丹念に読み込む。日本語特有の直接話法と間接話法の曖昧さから、原文に忠実か、日本語として読みやすいか迫られる翻訳者の苦労が少し理解できる。「感情を問う」と思われがちな国語の問題が、(丁寧な読みにより)論理的に導出できるものと示す良書。2018/05/05

田中峰和

7
小説のテクストを語りという観点から考察する際、共通の了解と見なしうる事柄を、物語論の立場から記述しようとする研究書。第一章では太宰治の「浦島さん」のテクストを物語内容、物語言説、物語行為という3つの相から分析を進める。かの有名な浦島物語を題材に、主人公は竜宮城で時間を忘れるほどの夢見心地を味わうが、憧れの世界は人間の身の丈に合わない。そんな教訓が冒険に身を投じてはじめて納得させられる。ただし納得できても元の生活へ戻ることが許されないことが教訓として理解させられる。小説のしくみを読み解く学者の努力に敬服。2017/08/23

澄川石狩掾

2
再読。この登録で累計読了冊数が3000になった記念。 ジュネットの『物語のディスクール』における用語を、著者が分かりやすく日本語に翻訳しなおしているのがありがたい。2023/08/13

masasamm

2
「ナラトロジー」の解説書。具体例がわかりやすく理解しやすい。「ナラトロジー」は「小説」の文法である。「小説」という分野を読解には絶対に必要な分野である。小説の仕組みがわかる。2020/01/11

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