出版社内容情報
現代の文学理論、とくに小説という形式における物語論を解説し、日本の小説をより深く楽しむヒントを読み解く。語ることで立ち現れる虚構の世界.語り手が担う「語り」のしくみを解きあかすことで,小説の物語はより深くより豊かなものとなる.小説を読むとはどのようなことか.語る行為,読むという行為を問いなおす,物語論と日本近代文学との出会い.
第一章 テクストの相
1 三つの相――物語内容、物語言説、物語行為/2 太宰治「浦島さん」/3 物語内容とは何か/4 物語行為/
5 語りに仕組まれる読みの方向/6 読みの方向と物語内容
第二章 語り手と語りの場
1 語り手という存在/2 語り手の姿――読者と向きあう語り手/3 語り手と物語世界/4 語りの階位/
5 枠物語――外枠の物語と埋め込まれた物語/6 物語を作る語り手――永井荷風『墨東奇譚』/7 聞き手と向き合う語り手
第三章 語りの視点
1 心の中を語ること/2 焦点化――誰が知覚し、誰が語るのか/3 焦点化概念の変容/4 黒澤明『羅生門』と芥川龍之介「藪の中」の語り/5 芥川龍之介「偸盗」の語り
第四章 テクストの声
1 テクストから聞こえる声/2 森鷗外「山椒大夫」における話法の処理
第五章 語りと時間
1 小説の中の時間/2 順序/3 持続/4 頻度
終 章<br>
テクストと向き合う読者――「読者」の二つの意味/分析の対象としての語り/物語論の限界――テクストの外へ
The Makings of Fiction: An Introduction to the Narrative Analysis of Modern Literature
Katsuya Sugawara
菅原 克也[スガワラ カツヤ]
菅原 克也
菅原克也:東京大学大学院総合文化研究科教授
内容説明
芥川龍之介、安部公房、泉鏡花、太宰治、永井荷風、夏目漱石、三島由紀夫、森鴎外…魅力的な日本近代文学の作品を例に、地に足ついた日本語で文学理論を語りなおす試み。
目次
第1章 テクストの相(三つの相―物語内容、物語言説、物語行為;太宰治「浦島さん」 ほか)
第2章 語り手と語りの場(語り手という存在;語り手の姿―読者と向きあう語り手 ほか)
第3章 語りの視点(心の中を語ること;焦点化―誰が知覚し、誰が語るのか ほか)
第4章 テクストの声(テクストから聞こえる声;森鴎外「山椒大夫」における話法の処理)
第5章 語りと時間(小説の中の時間;順序 ほか)
終章(テクストと向き合う読者―「読者」の二つの意味;分析の対象としての語り ほか)
著者等紹介
菅原克也[スガワラカツヤ]
1954年生。東京大学文学部卒、同大学院人文科学研究科比較文学比較文化専門課程博士課程単位取得退学。現在、東京大学大学院総合文化研究科超域文化科学専攻教授(比較文学比較文化)(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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澄川石狩掾
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