記号と再帰―記号論の形式・プログラムの必然

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  • サイズ A5判/ページ数 259p/高さ 22cm
  • 商品コード 9784130802512
  • NDC分類 007.1
  • Cコード C3080

内容説明

人工言語の記号論を企て、人間の記号系の本質を再考する。文理を超える野心的な試み。

目次

第1部 記号のモデル(バビロンの混乱;記号が一体化する時;「である」と「する」)
第2部 記号の種類(文x:=x+1;三種類の項;ある■・その■)
第3部 記号のシステム(構造的・構成的;記号と時間;系の再帰と進化)

著者等紹介

田中久美子[タナカクミコ]
東京大学大学院情報理工学系研究科創造情報学専攻准教授。東京大学大学院情報工学専攻博士課程修了後、工業技術院電子技術総合研究所、東京大学大学院情報学環講師などを経て現職(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

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やす

8
壮絶な本である。情報・通信分野の著作に与えられる大川賞と人文科学の分野に贈られるサントリー学芸賞の両方を受賞しているというのだからキワモノなのか。関数型言語の設計原理が書かれていると思って読んだのだが著者の発想は逆であり自然言語を扱う記号論に一石を投じたくてプログラミング言語という自然言語より抽象的で単純な言語を試金石として記号論の各流派を批評しようというもの。著者は情報科学の人なんだけど学際的な研究をされているらしく言語学の記号論にもプログラム意味論にも精通されているようである。2017/04/26

bravelamlam

3
記号論におけるソシュールの二元論とパースの三元論の対応、なんてものが第三章で飛び出してきてしまったので、そこで挫折してしばらく積んでいた。しかし、情報系の人間でも(だから?)、そこを乗り越えたらあとはずっと面白い話だった。オブジェクト指向と関数型言語の違い、自然言語とプログラミング言語の違い、サッカー自動実況システムなど、話題は豊富。計算理論辺りを記号論と混ぜあわせて、こんなにおもしろい話にできるのはびっくり。2014/03/16

EnJoeToh

3
止めて差し上げた方が良いのではないか。2010/12/12

脳疣沼

2
大川出版賞、サントリー学芸賞を受賞している。記号論とか予備知識ゼロであるが、それでも読み進められるのは、記述の丁寧さによるところが大きい。まあ、そうは言っても理解できない箇所が多々あるのだが、個人的にはプログラミングの勉強になってよかった。授業で再帰とか習っても、頭が混乱しただけで終わっていたので、奥深さを知れて満足。2015/11/21

TaKUMA7

2
プログラミング言語・計算機科学における記号を文系の学問である記号論から見つめ、記号と再帰について考察していく本。ソシュールの二元論、パースの三元論、それらの関係・対応、また二元論と関数型言語、三元論とオブジェクト指向型言語の対応を論じたり。カリー化や、不動点関数により普遍的範疇における三次性を考察し、その本質が再帰にあることを論じたり。参照透明性という制約下でインタラクションを論じる際にモナドが出てきたり。もう一度出直して再読したい。すごく面白かった。2011/10/23

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