平安物語叙述論

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  • サイズ A5判/ページ数 855p/高さ 23cm
  • 商品コード 9784130800631
  • NDC分類 913.3
  • Cコード C3095

出版社内容情報

口承文学の語り手はだれか,叙述の時間とは何か,それはどのような“物語の文法”で語られたのか.語り手人称と物語人称とを問題提起して,口承文学がよみがえる.時代を超えて生きつづける物語の動態を,“叙述”という語によって捉える.

内容説明

本書は、平安時代の物語文学を指標にして、物語という在り方自体が、時代を越えて人々の心に、あくまで言語的経験として生きつづける動態や、それらの作品たちを成り立たせる諸条件を、叙述という語によって把捉したものである。物語文学の、基礎のところや、地面下の構造としてあり、場面ごとに現前する、“物語”という性格、モノガタリという語そのものから生じる、語られ、書かれる意図について論じている。『物語文学成立史』の続編。

目次

第1編 創意と作り―“作り物語”(モノガタリとは何か;創意と作り)
第2編 叙述動態の形成(叙述の時間;物語過去と現在―叙述の時間・その二;表現としての日本語;語り手人称と語り;物語人称と語り;語りの行為的形成;図像、音楽、読者;行為としての演唱者世界―古代と中世)
付論

著者等紹介

藤井貞和[フジイサダカズ]
1942年、東京都文京区の生まれ。東京大学大学院総合文化研究科・教養学部教授。日本古典文学、言語態分析。論著に『物語文学成立史』(1987年、東京大学出版会)、『源氏物語論』(2000年、岩波書店)、『詩の分析と物語状分析』(1999年、若草書房)、『物語の結婚』(1985、創樹社・1995年、ちくま学芸文庫)、『源氏物語』(1993年、岩波書店)、『日本〈小説〉原始』(1995年、大修館書店)、『物語の起源』(1997年、ちくま新書)、『古文の読みかた』(1984年、岩波ジュニア新書)、『古典の読み方』(1998年、講談社学術文庫)、『国文学の誕生』(2000年、三元社)他。詩論などに『古日本文学発生論』(1978年、思潮社)、『釈迢空』(1974年、国文社・1994年、講談社学術文庫)、『言葉の起源』(1985年、書肆山田)、『口誦さむべき一篇の詩とは何か』(1989年、思潮社)、『折口信夫の詩の成立』(2000年、中央公論社)他。校注に「源氏物語」(共著、1993-1997年『新 日本古典文学大系』)、「落窪物語」(1989年、同)。詩集に『藤井貞和詩集』(正・続、1984・1992年、思潮社)、『遊ぶ子供』(1986年、思潮社)、『明るいニュース/悲しみをさがす詩』(1995年、書肆山田)、『「静かの海」石、その韻き』(1998年、思潮社)他
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