出版社内容情報
無数の文字が貼り付けられた東京の夜空,差別が滞留するフランスの郊外,モスクワのポップス…….文学の楽しみと文化の現在を「すこし違ったふう」に描き出したエッセイ集.現代世界文学の最高のナビゲータ,柴田元幸と沼野充義による東大文学部「多分野交流演習」から生まれた珠玉の講義録.
内容説明
「魅せられる」ことからはじまる文学・文化の研究。東大文学部・多分野交流演習から生まれた珠玉の講義集。
目次
1 東京/文学・もじのとし
2 島の音・音楽に魅せられるとき―コリン・マクフィー
3 Top of the Pops・ロシアのポピュラー音楽の歴史―大衆歌謡、VIA、吟遊詩人の歌、ロック、現代のポップス
4 「意見しないでよ」・愚痴と文学
5 郊外のいま・マリー・ンディアイの世界―『パパは食べなくちゃいけない』に見られるフランス的「統合」の現実
6 違う時違う場所・過去と現在をつなぐ―アミタヴ・ゴーシュ『古の国で』を読む
7 まねる、うたう・語りなおされる古典―ホメロス、ダンテと現代詩人たち
8 宮廷・愛・『源氏物語』と『クレーヴの奥方』―ロマネスクの諸相
9 ゲットーから・ポーランド最後のユダヤ人―I.B.シンガーの失われた世界
10 パパは何でも…・家族の呪縛―二十一世紀アメリカ小説をめぐって
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
takao
2
ふむ2022/12/27
メルセ・ひすい
1
9-33 `03~06 東大の「多分野交流演習 今日の世界文学」 人文社会系研究 ・・いろんなひとの面白い話。本格的語義・格調高いものも・・ 日本近現代文学に描かれた東京、バリ島の音楽に魅せられた西洋人音楽家、ロシアのポピュラー音楽など、多種多様、種々雑多な文学・文化の研究を収録する。東大文学部・多分野交流演習から生まれた、珠玉の講義集。2007/11/13
Dの字
0
小沢自然さんの章が素晴らしい。異郷における自国の歴史、文化的意義の限界と、その先にある個人による穴の穿ち方の話。2015/12/13
Nobody1
0
縦と横の軸が交わる場所、それが世界文学の場所である。共時と通時を交差させることの面白さを体験できる講義集!2013/01/22
NEKOS
0
知の十字架とコンセプトは同じか。編者はオースターの訳でお馴染みの柴田氏。対談形式にしたら面白そう。各講師共、明らかに紙幅不足で駆け足気味だったのが残念。うーん。感心した論がいくつかあったんだけど、まあ、とっかかりというか。ここから先は自分でねってことですか。2012/03/20