熱力学の基礎

  • ただいまウェブストアではご注文を受け付けておりません。
  • サイズ A5判/ページ数 408p/高さ 22cm
  • 商品コード 9784130626095
  • NDC分類 426.5
  • Cコード C3042

出版社内容情報

熱力学を再構成し、簡潔で美しく普遍的な理論として提示する新しいタイプの入門書である。初学者から専門家にまで役立つ。

内容説明

歴史的な発展を追って理論を組み立てていく類書と異なり、美しく再構成した理論を提示。相加変数を基本的な変数にとることにより、温度を基本的な変数にして議論をする類書とは異なり、相転移があっても破綻しない堅固な論理構成。単純系だけでなく複合系にも適用できる一般的な原理を提示。さまざまな熱力学関数を結びつけているルジャンドル変換を、1章を割いて詳しく解説。既習者の多くが苦手とする一次相転移もきちんと解説。

目次

熱力学の紹介と下準備
「要請」を理解するための事項
熱力学の基本的要請
エントロピーの性質
示強変数
仕事と熱―簡単な例
準静的過程における一般の仕事と熱
2つの系の間の平衡
エントロピー増大則
熱と仕事の変換
ルジャンドル変換
他の表示への変換
大きな系・小さな系
熱力学的安定性
相転移
統計力学・場の量子論などとの関係

著者等紹介

清水明[シミズアキラ]
1956年生まれる。1979年東京大学理学部物理学科卒業。1984年東京大学大学院理学系研究科物理学専攻修了(理学博士)。キヤノン(株)中央研究所主任研究員、新技術事業団榊量子波プロジェクトグループリーダー、東京大学教養学部物理学教室助教授を経て、東京大学大学院総合文化研究科広域科学専攻教授。東京大学大学院理学系研究科物理学専攻教授を兼担(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

御光堂

3
熱力学を公理としてのいくつかの要請と示量変数によるエントロピーの基本関係式を元に再構築していく、著者の熱い思いが伝わってくる本。気体の状態方程式(ボイル・シャルルの法則)なども経験的事実ではなく、そこから導き出される。熱力学の面白さが分る。ただ、エントロピーの基本関係式(113ページ、5.39式)は天下り的に与えられるものであり、なぜその式なのかという理由には、熱力学のメタ理論としての統計力学などが必要になるのだろうか。2017/04/24

Haruki

2
マクロ系の物理学として体系化された熱力学を普遍的な形式で学べる。平衡系を小数の自然な変数で記述でき、それぞれの変数の関係が、凸関数になっているためルジャンドル変換で行き来できる。対象とする系で見通しの良い変数の選び方、相転移の際の一次相転移の微分不可能な関数の扱い、なども数学的な関数の性質含めて扱っているので、物理現象と数式の対応が見えやすく、応用的な理解につなげやすいと感じた。最近第2版が出版され、IIでは、Bornの熱力学的正方形や化学への応用が記載されているので、知識を繋げ応用しやすくなると期待。2022/04/16

デコボコ

1
ルジャンドル変換と相転移について勉強し直すために再読2020/11/30

センケイ (線形)

1
分かった気になっていた自分は愚かだったのである。一段高い視点から見れば皆目からウロコだし、決して統計力学⊃熱力学ではないと、言われるまで気付かなかったわけである。かくして熱力学が何を前提として何を体系化しようとしていたかをようやくちょっとだけ分かった気がする。生活圏の近くの本屋でちょっと急ぎで、なるべく原理論的な熱・統計力学の本を探してみたときほぼ唯一あったのがコレで、タイトルからは上を満たすと想像できなかったため最初は躊躇ったのだが、その実まさに上にドンピシャで、なかなか運命的な出会いだった。2017/11/30

てん❤そる

1
公理の置き方が理論として明快になるように優先している分だけ最初は分かりにくいが、後の理解が良くなる

外部のウェブサイトに移動します

よろしければ下記URLをクリックしてください。

https://bookmeter.com/books/270749
  • ご注意事項