排除と抵抗の郊外―フランス“移民”集住地域の形成と変容

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排除と抵抗の郊外―フランス“移民”集住地域の形成と変容

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  • サイズ A5判/ページ数 325p/高さ 22cm
  • 商品コード 9784130561099
  • NDC分類 334.435
  • Cコード C3036

出版社内容情報

移民・マイノリティの若者が集住するパリ「郊外」を起点に、フランス主流社会とマイノリティとの亀裂に迫る。

パリの襲撃事件以来,注目を集める「ホームグロウン」の若者たち.そのような移民・マイノリティの若者が集住する「郊外」はどのように形成されたのか.「郊外」を起点にフランス主流社会とマイノリティの亀裂をたどり,暴力の背後にある排除と抵抗の実態にせまる.

序章 フランス主流社会とマイノリティの亀裂を問う
 1 フランスの移民統合の理想と現実――OECDの比較調査から
 2 移民からエスニック・マイノリティへ――呼称変化とアプローチの転換
 3 郊外「セーヌ・サン・ドニ県」への注目
1章 フランス郊外研究の視座――空間と結びついたマイノリティの差別と排除
 1 日本とは異なる郊外像
 2 モラル・パニックとメディア,政治空間
 3 先行研究における「郊外」の位置づけ
 4 本書の枠組み――差別,排除,レイシズム
 5 本書の方法と構成
2章 多様化する郊外とマイノリティ
 1 「移民」と「郊外」の関係を整理する
 2 郊外をめぐる複数の空間的アプローチ
 3 「移民」と居住の多様化――中産階級の台頭
 4 「移民」カテゴリー内部における分極化の進行――郊外貧困地区の状況の悪化と時間的変化
 5 「郊外問題地区」の類型化とセーヌ・サン・ドニ県の事例
3章 排除空間の形成と国家の役割――フランス的例外か?
 1 「マイノリティ集住地区」としての郊外はどのように形成されたのか
 2 工業地区の郊外
 3 団地の郊外
 4 移民の郊外
 5 結びにかえて――排除空間としての郊外と国家
4章 「赤い郊外」の変容と都市政策の展開
 1 問題設定
 2 「都市政策」の誕生と展開
 3 脱工業化のインパクトと「赤い郊外」の変容
 4 市政と住民をつなぐ新たな媒介の模索
 5 「都市問題」という解読格子の誕生と定着
 6 階級問題から「都市問題」へ――「赤い郊外」における解読格子の変化
5章 再生事業と住民コミュニティへの影響
 1 地域社会の底上げか,下層マイノリティの排除か?
 2 「ソーシャル・ミックス」の評価
 3 住民はどこに行ったのか?
 4 「ミックス」の実情と課題
 5 都市政策と地域社会の再編
6章 郊外マイノリティの多様な抵抗
 1 エスニック・マイノリティの若者たちをめぐる参加と抵抗
 2 アソシエーション活動を通した抵抗――文化表現から政治活動へ
 3 問題化される「参加」――ラップの事例
 4 おわりに
7章 風刺新聞社襲撃事件と「見えない断絶」――フランス統合モデルの限界・弊害とマイノリティの疎外
 1 追悼デモに来なかった「郊外の住民」たち
 2 事件直後の「郊外の住民」の反応
 3 「テロ対策」としての3つの改革――治安,教育,郊外
 4 カラー・ブラインド原則とその実態――まなざしの人種化
 5 文化的統合の深化と(それゆえの)問題化というパラドクス
 6 ダブル・スタンダードが生み出す問題
 7 プラグマチークな解決にむけた道のり
終章 脱領域的なマイノリティ研究をめざして
 1 亀裂を生じさせる二重の「乖離」
 2 郊外の比較社会学に向けて――変容する日本の郊外へのまなざし
 3 「客観性」としてのマイノリティの視座

文献一覧
あとがき
地名・人名索引
事項索引

【著者紹介】
森 千香子
森 千香子:一橋大学大学院法学研究科准教授

目次

序章 フランス主流社会とマイノリティの亀裂を問う
1章 フランス郊外研究の視座―空間と結びついたマイノリティの差別と排除
2章 多様化する郊外とマイノリティ
3章 排除空間の形成と国家の役割―フランス的例外か?
4章 「赤い郊外」の変容と都市政策の展開
5章 再生事業と住民コミュニティへの影響
6章 郊外マイノリティの多様な抵抗
7章 風刺新聞社襲撃事件と「見えない断絶」―フランス統合モデルの限界・弊害とマイノリティの疎外
終章 脱領域的なマイノリティ研究をめざして

著者等紹介

森千香子[モリチカコ]
1972年東京生まれ。フランス社会科学高等研究院博士課程修了。2005年より南山大学外国語学部専任講師、2008年より同准教授。現在、一橋大学大学院法学研究科准教授。博士(社会学)(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

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BLACK無糖好き

16
さすがに大佛次郎論壇賞を受賞しただけの事はある。とても優れた博論。フランスのこれまでの都市政策・住宅政策の詳細な経緯から、郊外の移民集住地区が「排除の空間」として形成された過程が見えてくる。カラー・ブラインドの問題意識を持ちながら、政策目的はカラー・コンシャスという乖離がみられるように、フランスのダブルスタンダードが様々な点で見て取れる。上っ面の「共和国の理想」をいつまでも唱えるよりも、人種の違いを正面から認識した上での差別是正への取組みが求められるのであろう。しかし大統領選挙はどうなることやら^^; 2017/01/31

しんい

8
「大佛次郎論壇賞」を受賞した別の本を調べていて、関心を持って読んだ。パリのシャルルドゴール空港から国鉄SNCFでパリ市内に入ると、この本で扱う郊外の移民集住地域のどれかを通る。パリの「郊外」は第二次世界大戦後の各時代の政策で形作られ、初めから移民を集住させる意図はなかったが、結果としてそのようになった。またフランスの「共和国モデル」をもとに教育体系が作られ、その教育を受けた移民第二世代、第三世代が逆に社会に対する疎外感を増し、2010年代に発生したテロなどにつながった可能性がある。2021/10/13

nranjen

6
図書館予約本。まず何よりも文章自体非常に読みやすくわかりやすく、これぞ論文のあるべき形なのだと思った。シャルルドゴールからパリに向かう車の中で(決して外には出られないけれども)ここ2、30年に変わりゆく地域がなぜ、そしてどのように変わっていったのか、非常に明確な説明を与えられた気がする。以前試験問題で団地Dに住む人の話が扱われていた。本当の話だったんだ…。そもそものこの地域の成り立ちも勉強になった。何より最近雨後のたけのこのように建立されたオフィスビルが地元経済や治安と全く無関係である理由がよくわかった。2017/08/26

Em

2
重要な論点は二つ。(エスニック)マイノリティ研究の意義は1.マイノリティで起こる社会問題(失業・貧困・差別)はマジョリティー社会でも起こりうる。2.マイノリティの視点からのみ、その社会全体を俯瞰的に、客観的に反省的に見ることができること。 今日は外観を読んだので、次は内容やデータを詰めて読んでいく。 私は国際法の分野をテーマにようとしているけど、そこでのアクターは国家であって、一国家=一国民・国籍的な考え方がやはり主体だと思う。そこにやっぱり疑問を感じていた。移民やエスニックマイノリティは糸口になる。2020/09/08

陽香

1
201701162017/08/09

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