出版社内容情報
社会システムをめぐる長期的な構造変化が集中して顕在化した1990年代.その大きな変化は主に経済・企業システムにあらわれる.長期の相対的高度成長の終焉をもたらした本質的要因は一体なんだったのか.危機の本質を検証し改革の展開を冷静に見定め,山積する課題を克服するためのシナリオを明示する.
内容説明
日本経済の変化の本質を抉出し、再生へのシナリオを明示。1990年代日本の実相をとらえなおし、その歴史的意味を問う。日本の「いま」と「将来」を見据えるための、欠くことのできない知的実践。
目次
「失われた10年」の意味
1 危機の実相(経済危機の本質―脆弱な金融システムと頑強な生産システム;金融危機を生んだ構造―銀行の所有構造にみるガバナンスの欠如;「産業空洞化」・サービス経済化と中小企業問題)
2 改革の地平(規制改革の成果とその課題―経済成長への長い助走;雇用システムの継続と変化―知的熟練と成果主義;逆機能に陥った日本型生活保障システム)
3 国際的文脈の変化(「アジア化」する日本経済―生産・消費の地域化と新たな国際分業体制)
企業の社会的役割とその限界