目次
序論 政党制と国際金融システム
１ 明治国家の経済ナショナリズム―その歴史的起源（明治国家の外国借款政策―幕末維新期から日清戦争期にいたる経済ナショナリズム；福沢諭吉と勝海舟―外国借款政策をめぐる対立とその歴史的意味）
２ 国際金融資本とワシントン体制（日本の国際金融家と国際政治―高橋是清・井上準之助と国際金融資本；ウォール・ストリートと極東―ワシントン体制における国際金融資本の役割；ウォール・ストリート満蒙―外債発行計画をめぐる日米関係；ワシントン体制と日米関係―国際的文脈における大正デモクラシー）
３ ワシントン体制の解体と国際金融資本の退場（国際金融資本とアジアの戦争―終末期における四国借款団；資本による国際協調の時代の終焉―英国の四国借款団政策の変遷とワシントン体制の解体）
結語 ワシントン体制と日本の政党制
著者等紹介
三谷太一郎［ミタニタイチロウ］
１９３６年岡山に生れる。１９６０年東京大学法学部卒業。現在、日本学士院会員、東京大学名誉教授（本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです）
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感想・レビュー
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メルセ・ひすい
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14-38 赤42 多数の江戸幕府の譜代大名の重臣たちが明治幕府の士大夫として明治政府の中枢を担った｡それは論をまたないが､明治天皇=錦の御旗・幹部の薩長が・…太平洋戦争への坂を転げ落ちていった｡｡先導者は山縣有朋である｡そしてペリー提督、米国の野望は果されることになる｡｡ (￣∩￣#この書のとおり､裏日本のひびき…日本以下は欧米の 飽くまで極東⇒植民地でしかない｡｡メルセ 今､世界一の優秀で学識が行き渡った豊かな国民と高度な技術を駆使、結集して…この難局を切り抜けるパワーと若い指導者が必要だ｡｡。メルセ2011/01/05
politics
1
第一次大戦後のワシントン体制下における国際金融システムが、日本の政党政治システムに不可分な存在だったということを論証した研究書。明治初期の外債政策における福沢諭吉と勝海舟の相違から始まり、高橋是清、本書では特に井上準之助およびトーマス・ラモントら国際金融家の努力により国際金融での協調体制の確立から協調体制の崩壊頃までが描かれている。日本史などの学校教育において井上準之助は誤った決定をした人物とした印象しかなかったが本書により井上の新たな側面を知られたのは大きかった。2019/05/01
メルセ・ひすい
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13-55赤14ﾅｾﾞ､ｱｴﾃ「極東」！異議を感じる諸君は賢者の証です。‘60の日米安保反対！「極東条項」への反対はあったが･･「極東」観念それ自体への異論は無だ。しかし､ｻｲｰﾄﾞの言う欧米､ＡＳ.の「ｵﾘｴﾝﾀﾘｽﾞﾑ」(西洋世界の周辺部というｵﾘｴﾝﾄの観念)･･植民地主義･･そうです今､喧しい沖縄米軍基地移転問題･この観念は日米安保条約の条文に残存し実は核です｡この観念を問う新聞･論説は皆無ですが。･･･賢人高橋是清が「東亜経済力」を提唱！「東亜」をもって「極東」に対立する気概が･･鳩山政権も※2010/03/30
obanyan
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…パニックは信用の危機であり、恐慌はその崩壊である。本年日本で起きた政権交代は、政治社会における「信用」の崩壊の結果であり、その本質においては今回の政権交代に先行した金融危機そして金融恐慌、さらに経済全般に及ぶ世界恐慌と変わらないものであったようにさえ思えるのである。それはむしろ経済や政治を超えた一般的な現象であり、現代世界におけるあらゆる「信用」の体系が揺らぎつつあることの一つの現れではないかというのが実感である。（「あとがき」273頁より）
ただの人間
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第一次世界大戦後のワシントン条約体制は、四国借款団やそれに関与するラモント、井上などの国際金融家によって支えられていたことを、個人間の手紙のやり取りやメモなど様々な一次資料を引きつつ説得的に論じる。体制の形成段階における個人的な関係の果たした役割の大きさも当然興味深いが、それ以上に崩壊期の世論や政治力学、各関係主体の思惑の不一致など個人の力では如何ともしがたい要素で第二次大戦に突き進んでいく様が印象的だった2020/10/27
