出版社内容情報
舞台は,300年にわたる植民地支配の底辺を生き続けた,メキシコはチアパス高地のインディオ集落.ラテンアメリカの独立からメキシコ革命を経て今日に至る圧倒的な〈近代化〉の波を前に,自らの〈存在の証〉をかけて苦闘する彼らと彼らの共同体の姿を活写する.
内容説明
あの名もない山が、まさか大爆発を起こすとは…。神のまことの代理人、それは誰?「近代」と攻めぎあう「村」=「われわれ」の論理、「敗者の歴史」を拒むインディオの生の声、それは、あらたな山の怒りとなるか?独立を契機にグアテマラからメキシコへ編入されたチアパス高地の原住民社会のひとつチャムーラ族、そして近代化を志向する外部世界。本書は、その両者のせめぎあいの物語である。
目次
第1章 語る偶像(クスカットと「語る偶像」;「幼な子」たちの秩序意識;レフォルマ、反乱、そして近代国家)
第2章 黒い貨幣と祭り(サン・クリストバルの黄昏;「白い資本」と手配師たち;「黒い貨幣」と祭り)
第3章 「大地のへそ」と見えない権威(事務官様は神様か;「大地のへそ」と見えない権威)
第4章 村の原理と民衆〈知〉(カシーケの功罪;村の原理と民衆〈知〉)
第5章 村を追われた者たち(ミケル・カイシュランの死;「赤い司教」とポロ神父;追放者コロニー・ベルト)