出版社内容情報
古墳の副葬品の中で,首長にとって最も顕著な権威のシンボルであり,その分布を配布とみる見方をめぐって,初期大和政権の支配過程をとらえるとされるのが三角縁神獣鏡である.卑弥呼が魏より下賜された鏡とも,呉の工人が日本で製作した鏡とも言われている.
内容説明
三角縁神獣鏡は、これまで日本からしか出土していない鏡である。中国にも朝鮮にも多くの鏡があり、日本で製作した鏡も多数あるけれども、三角縁神獣鏡ほど問題になる鏡はない。本書ではこの鏡の提起する問題について、私の立場から、できるだけわかりやすく論じる。
目次
1 三角縁神獣鏡の研究史
2 中国人学者の見解
3 広峯古墳の景初四年鏡
4 魏国をめぐる国内・外の状況
5 弥生から古墳へ
6 同笵鏡の配布と分有