出版社内容情報
書物や新聞そしてインターネットによる情報や,博物館展示や学校の授業など,歴史に触れる機会は数多いが,歴史研究の新たな成果はどれほど社会に伝わっているのか.研究者と社会とをつなぐ役割をになっている人たちの現場の声と向き合い,これからの歴史学が取り組むべき課題を示す.
内容説明
歴史学になにができるのか。娯楽、教育、メディア、博物館―社会とつながる活動の現場からの提言。
目次
1 楽しむ―カルチャーからエンターテインメントへ(「バーチャル名護屋城」の試み―佐賀県立名護屋城博物館の城復元CG;旅に出て歩いて学ぶ歴史の現場―『観光コースでない』シリーズの誕生 ほか)
2 学ぶ―自ら考える教育の可能性(歴史教科書を学び捨てる;学習マンガと歴史学 ほか)
3 伝える―多様化するメディアと情報(歴史学とメディアの現在;歴史学・学術書・読者の新たな関係を考える―編集者の立場から ほか)
4 観る―博物館は深化する(歴史資料を展示する博物館の未来;ピースおおさかの加害展示をめぐる問題状況 ほか)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
yyrn
4
「歴史をいまに活かす」様々な取組みやその意義が紹介されている本。4つのテーマ(1楽しむ、2学ぶ、3伝える、4観る)にそって38人の筆者らがそれぞれの思いを述べているのであまり統一感はないが、多様な主張が面白かった。森谷公俊先生曰く「国民が国家に命令するのが立憲主義なのに、自民党の改憲案は国家と憲法の関係を逆立ちさせ、97条を削除して立憲主義の歴史的流れを完全に無視している」など、どちらかと言えば左寄りの発言が多いが、たまにはこういう固い話も必要かも。牧原憲夫の『客分と国民のあいだ』(98)を読んでみたい。2017/08/06
numainu
1
評価C2017/08/23
吃逆堂
1
多種多様。あまり全体的な方向性はないけれど、それぞれのプロパーが示す事例は重い。2017/07/18