内容説明
日本版『我が闘争』として知られ、時代の荒波に翻弄された怪文書「田中上奏文」。いったい誰が作成したのか?なぜ世界中に伝播したのか?日・中・台・米・ソの思惑は?熾烈な情報戦の結末は?真相解明を通じて永年の論争に終止符を打ち、和解の糸口を紡ぎ出す。
目次
序章 「田中上奏文」とは何か
第1章 昭和初期の日中関係―一九二七‐一九三一
第2章 満州事変後の日中宣伝外交―一九三一‐一九三七
第3章 情報戦としての日中戦争、太平洋戦争―一九三七‐一九四五
第4章 日本占領と東京裁判―一九四五‐一九五一
第5章 冷戦と歴史問題―一九五一‐一九八九
第6章 歴史問題の再燃と日中歴史共同研究―一九八九‐二〇一〇
終章 日中関係と歴史認識
著者等紹介
服部龍二[ハットリリュウジ]
1968年東京都生まれ。京都大学法学部卒、神戸大学大学院法学研究科単位取得退学。博士(政治学)。現在、中央大学総合政策学部准教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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中将(予備役)
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日本を貶める偽書「田中上奏文」を例に歴史認識問題を考える論考。他国での長きに渡る流布や現在の真贋論争に留まらない受け止められ方は興味深い。戦後10-20年ほど、日本国内で戦前を忘れたかのように本物かのように思われていた節があるのことは、残念であるとともに敗戦のショックを感じた。2017/09/26
あまたあるほし
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世紀のインチキ文書「田中上奏文」の歴史を記した論集。米ソ中の資料も丹念に読み込んでおり信頼できる。戦前、中国で田中上奏文を偽物だと認識していながらプロパガンダに使い続けたという。一枚上手だ2010/04/17
tkm66
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<歴史的怪文書>。結構面白かった、との覚えが。2010/08/08