目次
1 他界へのまなざし(「現前」する他界―なお傍らに在る他の世界をめぐって;日本古代の他界観;死と他界;生まれて愛して死んでゆく、なんの不服があろうか―生の意味の根底を求めて;死と死者への感受の道;時の流れを越えた場に向かって―死に直面する人間の希望)
2 宗教が照らしだす死と生(“われわれ”と“わたし”―統合失調症にみる「死者と生者の共同性」;「擬生と擬死」からの甦り―エヒイェロギア的視点と物語り論的視点;クルアーンの他界観―死をはさむ二つの生;死生学から見た中国出土資料―「死者性の転倒」について;死生の位相転換―鎮魂慰霊を超えて;生と死の反照を超えて―「行為の倫理」への試論)
著者等紹介
熊野純彦[クマノスミヒコ]
東京大学大学院人文社会系研究科教授(倫理学)。1958年生。東京大学文学部卒
下田正弘[シモダマサヒロ]
東京大学大学院人文社会系研究科教授(インド哲学仏教学)。1957年生。東京大学文学部卒(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Masato Mimura
0
他界は傍にある。過去と現在の関係のように、まったくはじめから存在しなかったものとは違い、死者はかつて存在したという形でここにいる。 災害や事故で突然命を落とした人は、まさかそこで生を切られるとは決して思わなかっただろう。私たちは憐憫の情を持って彼らを見る。しかし、よく考えてみると、病によって前触れもなくいきなり死を宣告されたり、何らかの理由で明日にでも死ぬかも知れない私たちと、そこに差異はない。誰もが100%、いつかやがて死を迎えるのだから、死刑囚と変わらぬと言われてもっともなことだろう。2015/09/10
ひでっち
0
[1]に比べると非常に難解。感想を述べることも難しいのですが、あえて言うと、いろんなことを考えてる人がいるもんだなあ、と思いました。2015/04/18
satoshi
0
とりあえず渡辺哲夫さんの文章だけ読んだ。2013/08/26
メルセ・ひすい
0
10. 24 超高度で新しい学問 黎明です。いつでも図書館であなたをお待ちしています。難解です。 死生にかかわる問題を、「他界へのまなざし」と「宗教が照らしだす死と生」というテーマを中心に解きほぐす。歴史において継承されてきた死生という課題の実在感および、そのあらわれの多様性をしめす。2008/08/22