宗教と公共空間―見直される宗教の役割

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  • サイズ A5判/ページ数 294p/高さ 22cm
  • 商品コード 9784130104104
  • NDC分類 161.3
  • Cコード C3014

出版社内容情報

制度化された「宗教」から、たえず流動する「宗教的なるもの」への生成を問い直し、新たな宗教概念をひらく。

今日,宗教は私的/公的領域という二分法には服すことなく,新たな様態をとりつつある――.宗教と社会をめぐる諸理論や歴史的経験の検討を通して,制度化された「宗教」から,たえず流動する「宗教的なるもの」への生成を論じる,新たな学問的考察の試み.

序論 沈黙の眼差しの前で(磯前順一)

I 欧米理論の批判的考察
1章 〈公共宗教〉再考――排除と複数性,そして世俗主義(磯前順一)
2章 二つの世俗主義――公共宗教論の更新(藤本龍児)
3章 公共圏における宗教――宗教的市民と世俗的市民による「理性の公共的使用」のための認知的前提(ユルゲン・ハーバーマス)
4章 世俗化時代のヨーロッパ(ルシアン・ヘルシア)
5章 宗教と公共性――「境界」から「空間」へ(?田真司)

II アジアの経験からの再検討
6章 宗教と政治のあいだで――我が父,ムハンマド・アサド(タラル・アサド)
7章 植民地近代と公共性――変容する公共性の地平(尹海東)
8章 現代韓国における宗教と公共領域(金泰勲)
9章 現代インドにおける宗教と公共圏(田辺明生)
10章 現代日本の宗教と公共性――国家神道復興と宗教教団の公共空間への参与(島薗進)

東アジアからみる政治と宗教 おわりに(島薗進)

【著者紹介】
島薗 進
島薗 進:上智大学神学部教授/東京大学名誉教授

目次

沈黙の眼差しの前で
1 欧米理論の批判的考察(“公共宗教”再考―排除と複数性、そして世俗主義;二つの世俗主義―公共宗教論の更新;公共圏における宗教―宗教的市民と世俗的市民による「理性の公共的使用」のための認知的前提;世俗化時代のヨーロッパ;宗教と公共性―「境界」から「空間」へ)
2 アジアの経験からの再検討(宗教と政治のあいだで―我が父、ムハンマド・アサド;植民地近代と公共性―変容する公共性の地平;現代韓国における宗教と公共領域;現代インドにおける宗教と公共圏;現代日本の宗教と公共性―国家神道復興と宗教教団の公共空間への参与)

著者等紹介

島薗進[シマゾノススム]
1948年東京都生まれ。上智大学神学部特任教授・グリーフケア研究所所長、東京大学名誉教授、宗教学

磯前順一[イソマエジュンイチ]
1961年水戸市生まれ。国際日本文化研究センター准教授。宗教・歴史研究(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

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mittsko

5
充実の一冊! 本書は「公共宗教」論ではなく「宗教と公共空間」論の本だと、磯前先生は強調する(「序章」12頁)曰く、両者の間には緊張が、できれば創造的緊張があるべきであり、宗教の肯定に傾きやすい「公共宗教」概念は、その点への配慮に欠ける 実際、国家神道の歴史を忘却した、その「全体主義化」の傾向は各所で(学会内ですら)現実になっている、と ただし、氏は会議企画者で本書編著者の一人でもあるが、そうした問題意識を寄稿者らに押し付けるわけではない 寄稿者らは各自の立場関心にしたがい、独自に論を展開する2021/02/05

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