出版社内容情報
日本政治史研究の碩学が、あらためて「戦後」の意味を問い、日本の民主主義における個人の生き方について省察したエッセー集。「戦後民主主義」とは何か.戦後70年を経てあらためて「戦後」の意味を問い,現代史の深みから日本の民主主義における個人の生き方について考える.好評既刊『学問は現実にいかに関わるか』,『人は時代といかに向き合うか』の姉妹編.
I 政治社会を生きる
1 政治社会の変化と集団的自衛権の問題
2 南原繁と国際政治――学問的立場と現実的立場
3 岡義武とドイツ・デモクラシーへの問題関心
4 福沢諭吉と丸山眞男――日本近代の先導者と批判者
5 幕末日本における公共観念の転換――議会制の観念の形成過程
6 政党政治はなぜ,いかに生まれたか――英米および日本について
II 知的共同体を生きる
1 二人の精神的リーダー――新渡戸・南原賞受賞挨拶
2 南原繁百十五歳――第1回南原繁シンポジウム献杯の辞
3 南原東大総長の米国訪問と二人の外国人日本史家――第5回南原繁シンポジウム献杯の辞
4 亡き師の導き――岡義武先生の演習参加者との交遊
5 丸山眞男先生についての断片的な回想
6 政治哲学史研究と理念――福田歓一先生追悼
付 象徴天皇制の安定条件――「福田先生を語る会」献杯の辞
7 アメリカ政治史の全体的考察――斎藤眞先生の信仰と一体化した学問
8 国際歴史共同研究におけるリーダーシップ――細谷千博先生追悼
9 デモクラシーの安定条件を求めて――篠原一先生の歴史政治学の課題
10 想像力を媒介とする政治的リアリズム――坂本義和先生追悼
11 政治理論と政治史の二位一体――升味準之輔先生を悼む
12 戦闘者のユーモア――三ヶ月章先生追悼
13 民主性と貴族性――田中英夫先生追想
14 理論志向の学際的な民法研究――平井宜雄さん追悼
付 「判断力」とは何か――平井宜雄さん三回忌挨拶
15 60年来の懸案――『吉野作造選集』の刊行と安江良介さん
16 媒介者としての編集者――粕谷一希さんを偲ぶ
17 真っすぐに生きた人――阪谷芳直さん追悼
18 司法制度改革における道徳的リーダーシップ――中坊公平さんを偲ぶ
III 戦争と戦後を生きる
1 『三四郎』の時代と大学――西片町と日露戦争下の東大
2 吉野作造と吉野信次――井上ひさし作「兄おとうと」によせて
3 歴史としての戦争と記憶としての戦争
4 戦後70年の8月を迎えて
5 私の「戦後民主主義」
あとがき
初出一覧
THE PAST AND PRESENT OF POST-WAR DEMOCRACY IN JAPAN : Reflections on the Political and Intellectual Community
Taichiro MITANI
三谷 太一郎[ミタニ タイチロウ]
三谷 太一郎
三谷太一郎:東京大学名誉教授/日本学士院会員
内容説明
「戦後民主主義」とは何か。戦後七〇年を経てあらためて「戦後」の意味を問い、現代史の深みから日本の民主主義における個人の生き方について考える。
目次
1 政治社会を生きる(政治社会の変化と集団的自衛権の問題;南原繁と国際政治―学問的立場と現実的立場;岡義武とドイツ・デモクラシーへの問題関心 ほか)
2 知的共同体を生きる(二人の精神的リーダー―新渡戸・南原賞受賞挨拶;南原繁百十五歳―第一回南原繁シンポジウム献杯の辞;南原東大総長の米国訪問と二人の外国人日本史家―第五回南原繁シンポジウム献杯の辞 ほか)
3 戦争と戦後を生きる(『三四郎』の時代と大学―西片町と日露戦争下の東大;吉野作造と吉野信次―井上ひさし作「兄おとうと」によせて;歴史としての戦争と記憶としての戦争 ほか)
著者等紹介
三谷太一郎[ミタニタイチロウ]
1936年岡山市に生まれる。1960年東京大学法学部卒業。現在日本学士院会員、東京大学名誉教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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