出版社内容情報
本書のテーマは読書にまつわる「一コマ漫画」
「腕前がひと目でわかる」「万邦無比」と丸谷才一氏が絶讃した漫画集を初めて文庫化
洒脱でほのぼのとした絵と、和田誠さんならではの芸当を目で読んで楽しむ、文字のない絵だけの本
カラー画も多数収録
内容説明
これぞ和田誠さんの真骨頂。ほのぼの楽しく洒落心たっぷり。絵本のような、画集のような、誰も真似できない(ひとコマ漫画)の世界。古今東西の名画、物語、キャラクターが次々登場。“本を読むこと”をテーマに描かれた、目で見て読み解く「絵だけ」の本。カラー画もたくさん収録。初めての文庫化。
著者等紹介
和田誠[ワダマコト]
1936年生まれ。多摩美術大学卒。77年から「週刊文春」の表紙を担当。グラフィックデザイナー、イラストレーターとして書籍の装画、装丁を数多く手がけた。デザイン、絵画の分野で文藝春秋漫画賞、講談社出版文化賞など受賞多数のほか、翻訳、映画監督、エッセイ執筆など幅広い活動により菊池寛賞を受賞。絵本を含む自著は二百冊を超える。2019年10月死去(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Vakira
52
映画監督でもあった大好きなイラストレーター 和田誠さんの本に関するイラスト集。必ずどこかに本が登場。本好きにはたまらない。本を読んでいるのは誰?どこで読んでるの?そんなかっこうで?何を読んでいる?それを見ている僕、本の中の君、君の読んでいる本、その本の中の・・・なんて想像するのも楽しい。カラーページだってあるよ。本は意識の物質化?いや、意識の遺伝子だ~読めば知識の泉湧く~なんて説教じみた事は言いっこなし。いや~ 和田誠のこの世界、癒されます。2023/01/15
ぐうぐう
46
本を読む。ただそれだけの光景が、どうしてこんなにも親しみを覚えさせるのだろう。和田誠のひとコマ漫画集『本漫画』は、毎日新聞の書評欄に連載されていたことから、読書漫画となっている。実に様々な人が本を読んでいる。しかも、みんな読書に夢中だ。リンゴがたくさん落ちているのに本を読んでいて気付かないニュートンに、オオカミを真ん中に赤ずきんとおばあさんがベッドの中で本を読み、互いの立場を忘れてしまっていたり。自由の女神もスフィンクスも透明人間も半魚人もキングコングも、みんなみんな本に夢中になっている。(つづく)2023/01/01
ツキノ
21
2022年12月発行。2009年1月毎日新聞発行。毎日新聞書評欄に掲載されていた「ひとコマ漫画」。描かれているのは本に夢中な姿。有名な物語の中のヒトや動物など。クスリと笑え、ああ、いいな、と思える。貴重。2023/04/07
くろうさぎ
16
はじめと終わり以外は、文字のない本。だけど、どのページにも、それぞれ本を読んでいる面々が登場して眺めるだけで楽しめます。上質な紙で時々カラーで描かれているのが、またいい。どのページも楽しくて、これが一番!と選べないほど。吉田篤弘さんとフジモトマサルさんの「と、いうはなし」を思い出させてくれます。2023/01/29
Inzaghico
11
2008年に毎日新聞社から刊行された単行本の文庫化だ。1993年から2007年の暮れに、毎日新聞の書評欄の一コマ漫画欄が消滅するまでの和田誠の作品が収録されている。毎日新聞が書評欄の顧問に丸谷才一を迎えて、一コマ漫画を載せようという丸谷の鶴の一声で決まったそうだ。イギリス通らしい丸谷ならではの慧眼だなあ、と感心しきり。皮肉あり、ユーモアあり、奇想天外あり、バラエティに富んでいる。読み過ごすことができず、「これは一体何を?!」と考えてしまうので、なかなか頁が進まないが、それもまたよし。2023/04/27