中公文庫
愚行の世界史〈上〉―トロイアからベトナムまで

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  • サイズ 文庫判/ページ数 374p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784122052451
  • NDC分類 209
  • Cコード C1120

出版社内容情報

政府はなぜときに国民の利益と反する政策を推し進めてしまうのか。世界史上になだたる「愚行」を取り上げ、失政の原因とメカニズムを探った好著。

内容説明

国王、大統領、政治家たちは、なぜ国民の利益と反する政策を推し進めてしまうのか。本書は史上に名高い四つの事件を詳述し、その失政の原因とメカニズムを探る。歴史とは何か、歴史とは役に立つのか、そして人間は歴史から学ぶことができるのだろうか。

目次

1章 愚の行進―国益に反する政策の追求
2章 愚行の原型―トロイア人、木馬を城壁内に引き入れる
3章 教皇庁の堕落―ルネサンス時代の教皇たち、プロテスタントの分離を招く(1470‐1530)(寺院のなかの殺人―シクストゥス四世(1471‐1484)
異教徒の宿主―インノケンティウス八世(1484‐1492)
悪行―アレクサンデル六世(1492‐1503) ほか)
4章 大英帝国の虚栄―イギリス、アメリカを失う(与党と野党(1763‐1765)
「行使できないとわかっている権利を主張して」(1765)
満帆の愚行(1766‐1772))

著者等紹介

タックマン,バーバラ・W.[タックマン,バーバラW.][Tuchman,Barbara Wertheim]
1912年、ニューヨーク生まれ。ラドクリフ・カレッジ卒業。『ネイション』『ニュー・ステイツマン』などの記者を経て著述業に入る。『八月の砲声』および『失敗したアメリカの中国政策』で二度、ピューリッツア賞を受賞。89年、死去

大社淑子[オオコソヨシコ]
1931年、福岡県生まれ。早稲田大学名誉教授。英米近代文学、比較文学(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

Saiid al-Halawi

10
自分で自分の首を絞めるような判断をしてしまう施政者のモデルケース集。それも後世顧みて、ではなく当時から実際にその不利益が知れていたにも関わらず、という点が愚行を愚行足らしめてる。敵の残した置き土産を市内に引き入れたトロイアの人々、ついには大改革を招いてしまったカトリックの腐敗、独立を思い至らせるまでに13植民地を逆なでし続けた英国議会政治など。2013/07/10

contradiction29

7
愚行の三つの原則とは、行動の誤りを示す兆候を無視し続けること、私益の追求を最優先すること、自分の権力の永遠絵性を錯覚することである。トロイア戦争における神話的なモチーフ(カッサンドラ、ラオコーン)からはじめ、ルネサンス期の教皇庁や米独立時の英国政府の動きから、そのような原則を導き出した本。東京オリンピックの動きをみると、我々は今歴史的愚行の只中にいるのかもしれない。この三つの条件はぴったり当てはまっている。歴史家は毒舌な人が多いが、タックマンはその中でもかなり手厳しく批判する人で、面白いと思った。2021/07/25

Mits

3
訳が悪くて読みにくいが、内容は興味深い。 国家的な愚行は、統治者の責任感、情報感度、理性的な判断力のいずれかが欠如すればいつでも起こりうるわけで、この本ではそのうちの、世界史を変えるほど影響が大きかったいくつか取り上げている。 (下)もこの調子で続くのだとしたら、暗澹たる気分になりそうだ。結局、人間ってバカなのか…と。 現代人は学んだ、と思いたいんですがねぇ2010/02/06

K

1
超印象的だったのはこの一節。「神々は人間の創造物であって、その逆ではない。地上の生という謎に目的と意味とを与え、自然の不思議で不規則な現象や、偶然の出来事、とりわけ不合理な人間の行動を説明するために、神々が必要だったので作り出されたのだ。」むかし、「外国人に、私は無神論者です、などと言うべきではない。そう言うと神を信じない傲慢な人間だと思われる」的なことをどっかで読んだんだけど、ここまでばっさり言われると目から鱗。でも、なにか人知を超えた存在があるような気持ちを拭いされないのはなぜだろう。2013/09/23

ああああ

1
野球の野村監督の言葉に「勝ちに不思議の勝ちあり、負けに不思議の負けなし」というのがある。ところがどっこい、実は「不思議な負け」というのがある。どう考えても負けるのが目に見えているのに、それでも余計な勝負をしてボロクソに負ける。あーあ、やっぱり、何でこんなことしたんだろう。でもそんなん結構あるよね。不可思議で、どうしようもなくて、人間臭い。ま、愚行も他人事なら微笑んでいられるんですがね。2012/12/20

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