中公文庫
カルタゴ興亡史

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  • サイズ 文庫判/ページ数 253p/高さ 16cm
  • 商品コード 9784122040472
  • NDC分類 243.2
  • Cコード C1122

内容説明

ローマに滅ぼされ、いまは跡形もなくなった悲劇の海洋国家、カルタゴ。その成り立ちから、名将ハンニバルとスキピオがすべてをかけたポエニ戦争の各場面、度重なる戦いの末の国家の滅亡までを、簡潔にいきいきと描く。

目次

国家カルタゴの成立
シチリアの争奪(ディオニュシオスの死まで;アガトクレスの死まで)
カルタゴ事情
ローマ登場(第一次ポエニ戦争)
傭兵の乱(リビア戦争)
ハンニバルと第二次ポエニ戦争(カンナエまで)
戦運逆転
ハンニバルの死
カルタゴ滅亡(第三次ポエニ戦争)

著者等紹介

松谷健二[マツタニケンジ]
1928‐1998。東京生まれ。翻訳家、ドイツ文学研究家。東北大学文学部文学科卒。専攻は独文学。静岡薬科大学講師、山形大学人文学部助教授、教授を経て、1978年フリーの翻訳家となり、のちには小説も手がけた
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感想・レビュー

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金吾

22
カルタゴの通史が解りやすく書いています。特にポエニ戦争以前はほとんど知らなかったので興味深く読めました。淡々とした書き方が良かったです。2021/07/01

C-biscuit

12
図書館で借りる。以前読んだ本にカルタと日本の類似性が指摘されていた。ずっと興味があり、ようやく入り口に立てた。そもそもカルタゴについては良くも知らなかったが、ハンニバルについては、名前を聞いたこともあり、そちらの方が有名である。ローマにより不毛の地にさせられたような紹介があったが、土地に塩をまかれたところなどはそうであったようだが、文化などは、しばらく残っていたようである。あとがきにも、現在の日本との比喩がコメントされていたが、著者は状況が違うとの見解である。 例えとして興味深かったが、専門家を信じたい。2016/01/12

roatsu

6
ローマとの争いに敗れ、地上からの抹殺という最期を迎えたカルタゴが、古代地中海世界でそれまでの700年間どのような軌跡を描いたかを俯瞰できる興味深い一冊。泥臭い苦闘を重ね大変な経済的繁栄を勝ち得ても、最終的に地中海世界の覇者となったローマが近場に勃興したことがその運命を決めてしまった。抹殺によって自分達の言葉で歴史を残せず、敵国を始め他者の史書の中で部分的な事実しか語られないという無常な事実が胸をうつ。遠い歴史の中の一国の話ではなく日本にも大いに身につまされると思う。2014/07/09

6
題名通りのカルタゴの栄枯盛衰を描いた小説調の本。作者が見て来た様に語るので内容の学術的な正確さは期待できないが文体は非常に読みやすい。シチリア戦争におけるカルタゴvsギリシアの争いにはペルシア戦争やアレクサンドロス大王の影がチラチラと見えてポエニ戦争以前の地中海の歴史が見えて面白い。山場はやはりハンニバルだがどうも地図や部隊の配置図が少なくて分かりにくいのが残念。あとカルタゴには5種類くらいしか名前が無いのか同じ名前が何度も出てきて混乱するw ハンニバルは10人くらい出てきたんじゃなかろうかw2012/10/06

Mana

5
ラウィーニア→アエネーイス→カルタゴの女王ディードという興味の流れで読んだ。再婚を強制されるのが嫌で自殺したエピソードを、アエネアスに振られた自殺に変えられてしまったことが、カルタゴを滅ぼしたローマ人としてウェルギリウスの贖罪のつもりだと考えるなんて、どうかしている。どういう思考でそんな考えになるのか理解できない。ローマの建国神話に登場させてもらって嬉しいと喜ぶと思った??自殺により守ったはずの尊厳が、ローマに侮辱されたとしか思えない。2020/09/21

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